鉄道界のトレンドとして、車内無料WiFiサービスの普及が挙げられます。しかし、車内の様子を見ると無料WiFiサービスはあまり使われていない気が。そこで、今回はWiFi好きの筆者が車内無料WiFiの魅力について解説します。

そもそも、無料WiFIとは?

train201906-1

スマホをインターネットに接続する方法のひとつとして、公共の無料WiFiサービスがあります。契約している携帯電話事業者の通信制限などを気にせず、インターネットを利用できます。鉄道業界ではJR各社や大手私鉄を中心に車内や駅構内を中心に、無料WiFiの設置を進めています。

車内無料WiFiはどんな感じ?速度は?

train201906-2

私は車内無料WiFiがあると、必ずと言っていいほど利用します。ただし、すべての車両で無料WiFiが提供されているわけではありません。たとえば、JR西日本では山陽新幹線や一部の特急列車、323系などの最新車両で利用できます。地下鉄では東京メトロが一部の車両で無料WiFiを提供。東京オリンピックが開催される2020年夏には全車で利用できる予定です。そのため、当分はWiFiがある車両とない車両との区別が必要です。

 

無料WiFiを提供している車両では車端部やテーブルにWiFiマークが描かれたステッカーが貼られています。しかし、無料WiFiに接続したらすぐに使えるわけではなく、メールアドレスの登録など、何かしらの設定が必要。設定が終了したら、インターネットが楽しめます。 気になる通信速度は車両によってマチマチ。全体的な印象としてはインターネットやSNSを楽しむ分には問題ないというレベルです。

 

反対にYouTubeなどの動画サイトを見る際は苦しいかもしれません。また、トンネルや橋梁を渡ると接続が切れるということも。そのため、長時間にわたってインターネットを使いたいときは別にルーターを用意しておきましょう。今後、通信速度はより安定するとは思いますが。

 

train201906-3

また、一部の鉄道会社では車内無料WiFiを使ったユニークなサービスを提供しています。阪急電鉄の観光列車「京とれいん雅洛」では無料WiFiを通じて、運転台からの前面展望動画が楽しめます。

車内無料WiFiの注意点

車内無料WiFiは誰でも使える分、セキュリティ面で弱みを抱えます。車内に限らず、このような無料WiFiでオンラインバンキングなどの重要な情報を入力する作業は避けましょう。また、基本的にネットワーク名

一般的な車内無料WiFiの接続方法

ここでは東海道新幹線の車内無料WiFiサービスの接続方法をお伝えします。多少の違いはありますが、全体的な接続方法の流れは変わりません。

 

まず、スマホにあるWiFi設定を開き”Shinkansen_Free_Wi-Fi”をタップします。すると、車内無料WiFiに接続します。

 

次にブラウザで新たなページを開き、車内無料WiFiの接続ページを表示させます。利用規約を最後までスクロールし、同意すると次ページに遷移します。

 

最後の作業は個人認証です。大きく「SNSアカウントでログイン」「メールでログイン」から選べます。SNSからの個人認証だとメールアドレスなどの個人情報を入力する手間が省けます。

 

ちなみに、私はGoogleアカウントからのログインを選択しました。Googleアカウントのメールアドレスとパスワードを入力し、Google側の規約に同意したら作業は終了です。

 

”インターネットに接続されました”というページが表示されます。後はいつもどおり、自由にインターネットを楽しんでください。なお、東海道新幹線の場合は30分ごとに接続を更新する必要があります。

 

最初は設定を面倒に感じると思いますが、慣れると1分以内で作業を終わらすことができます。

今後の見通し

train201906-4

海外と比べると日本は公共無料WiFiサービスの普及が大幅に遅れています。それでも、2020年東京オリンピックや2025年大阪万博を見越して、鉄道会社は急ピッチで整備を進めています。一例として、各新幹線における車内無料WiFiの現状と見通しをお伝えします。

 

上越新幹線以外の新幹線:2019年度中に全車両で設置予定。 上越新幹線:2020年度中に全車両で設置予定。

 

上越新幹線は車両更新のため、他の新幹線よりも開始時期がずれます。一方、今年の3月までにすべての新幹線の駅で無料WiFiが使えるようになりました。今後の鉄道業界における無料WiFiの広がりに期待しましょう。

 

文・撮影/新田浩之