プロデュース商品総売上500億円の実業家でありながら、お子さん2人のお弁当作りを機に心身の限界を迎えた住谷杏奈さん。仕事での横領や裏切りが重なり、薬が手放せない日々。どん底で彼女が辿り着いたのは、「家族以外誰も信じない」という防衛本能でした。2歳児に「空気を読みなさい」と説く、まるで社員教育のような子育て。その厳しい愛情に秘められた、生き残るための真意とは。

不安障害と睡眠障害に見舞われた「完璧主義」の罠

完璧主義の住谷さんお手製のお節料理

── お子さんたちのお弁当作りがきっかけで、体調を崩されたそうですね。

 

住谷さん:娘の中学と息子の高校入学が重なり、今まで2人とも給食だったのですが、一気に2人ともお弁当生活に。明け方4時半に起きて子どもたちのお弁当と朝ごはんを作り、送り出すのが日課になったのですが、私はどこか完璧主義なところがあって。「起きられなかったらどうしよう」と考えれば考えるほど不安で眠れなくなり、ついには一睡もできない日々が続きました。

 

結局、数か月でダウンし、病院で不安障害と睡眠障害と診断されました。もともと誰かに頼ることが嫌な性格でしたが、これを機に、夫と分担するスタイルに変えました。夜のうちに私がお弁当のおかずを作り終え、朝ごはんの準備をしてから寝る。朝は夫が早く起きてお弁当箱におかずとご飯を詰めて、朝ごはんを温めて食べさせ、送り出すスタイルです。当初は全部自分で背負い込んでいた悪循環を脱することができました。

 

── さらに、仕事でもトラブルが重なったとか。

 

住谷さん:信頼していたビジネスパートナーに横領されていたことが発覚するなど、仕事関係でもいろいろあった時期でした。

 

でも、私は何年も前から「家族以外誰も信じない」と決めているので、その件では、さほどダメージもありませんでした。

 

冷たく聞こえるかもしれませんが、誰も信じていなければ裏切られたと感じることはない。勝手に人に期待するから、自分の思い通りに物事が進まないと、相手のせいにしたり、落ち込んでしまう。

 

私は基本的に人を信じないからこそ、助けてくれたり自分によくしてくれる人が現れると、感動して泣きそうになります(笑)。これは宝くじに当たるくらいラッキーなんじゃないかって。それくらい割り切った思考になってから、仕事も人間関係も格段にスムーズになりました。