「夫の作品の一番のファン」として生きる贅沢

レイザーラモンHG、住谷杏奈
息子の誕生日を家族みんなでお祝い

── 最近ではHGさんがアーティストとしての才能を発揮して、お店の壁面にスプレーアートをされるなど、活躍の幅を広げています。そんな才能をリスペクトして住谷さんがお仕事でデザインをHGさんにお願いしているそうですね。

 

住谷さん:夫の絵を描く才能を心から尊敬しています。一昨年頃から夫にスプレーアートをしてほしいと問い合わせてくださる方が増えました。そのあたりから私も勢力的に夫のアートの分野について勝手に営業をさせてもらい、窓口になっています。年内には都内で初の単独個展をプロデュースさせてもらう予定です。もう、夫の絵の才能だけを売り込んで生きていきたいくらい、夫のアート作品のファンなんです。

 

── プライベートでも、愛用のハイブランドのバッグにHGさんがスプレーペイントを施して話題になっていましたね。

 

住谷さん:ネットニュースで見かけたアーティストが持っていたバッグに刺激を受けて、夫に「私のバッグにも描いて!」と頼みました。夫は「本当にいいの?」と驚いていましたが、私に迷いはありませんでした。完成したバッグは世界に一つだけの宝物です。

 

──「アーティスト」のHGさんと「マネジメント」の住谷さん。最強ですね。

 

住谷さん:でも、夫は本当にお金に執着がなくて(笑)。入金の確認や契約のチェックなど、事務的なことは20年間私がやり続けています。「自分でやって」と言い続けて20年、一度もやってくれませんでしたけど、最近は「結局、私がやればいいんだ」と諦めがつきました。

 

 

誰かに守られて生きたいと願った「専業主婦志望」の夢が、月収7000円という現実によって打ち砕かれたとき。 住谷さんは、夫の知名度さえも「家族を守るための武器」に変え、「やってみないとわからない」と未知の世界へ飛び込み、みずからの才能を開花させていきました。 逆境を逆手に取り、自分の力で人生を切り拓いていく彼女の「しなやかな強さ」。人生の「誤算」さえも自分の武器に変えて進む彼女の姿。その潔さはあなたにどう映りますか?

 

取材・文:加藤文惠 写真:住谷杏奈