ひとり暮らしに挑戦も「静寂が耐えられず」
── そんなお母さんの姿をみて、アンナさんはどのような言葉をかけられたのでしょう。
クラウディアさん:毎日「ひとりで寂しい」と泣いて訴える私に、「ママのお友だちも、みんな夫を亡くしても、ひとりでちゃんと生きているでしょう。なんでママだけ何もできないの?いい加減、ひとりでできるようになりなさい」と、諭されて。私にはいつも手厳しいんです(笑)。
── アンナさんなりに、「母親を思って」あえての厳しさだったのでしょうね。
クラウディアさん:悲しみに打ちひしがれて何もできずにいる私の姿を見て「自分がしっかりしないと」と、危機感を持ったのでしょうね。でも、わからないことだらけなので、なんでも娘を頼ってしまって。携帯電話の使い方などは、何度も聞きすぎて、ついには孫からも「何百回言えば覚えるの?」なんて怒られる始末。
さすがに私も「甘えてばかりはいられない。自立しなくてはダメね」と思い、半世紀ぶりにひとり暮らしに挑戦したんです。自分はひとりでは生きられないタイプだと思っていたから、いざひとりきりの世界に踏み出すのは、本当に不安で怖かったんです。

── 周囲の助けを借りることが増える年齢で、あえて逆の道を選ばれたのは勇気のいる決断だったと思います。不安はありませんでしたか?
クラウディアさん:不安でしたけれど、これ以上、娘に迷惑をかけるわけにはいかないですから。体もまだ健康ですし、ひとりでいろいろとできるようになりたいという前向きな気持ちもありました。
── 実際にひとり暮らしをされてみて、いかがでしたか。
クラウディアさん:自立を目指して、まずは苦手な漢字を克服しようと、小学生用のドリルをひたすら解いてみたりもしました。ただ、実際に暮らしてみると、やっぱりひとりはすごく寂しくて…。同じマンションに昔から仲のいい友だちが住んでいたので、昼間はずっとおしゃべりをするのですが、夕方、部屋に戻ってひとりになると、静寂が耐えられない。涙があふれて止まらないんです。
結局、自立を求めて踏み出したものの、孤独に耐えきれず、ひとり暮らしは3か月で断念。ろくに相談もしないまま、娘のところに転がり込む形で、再び、同居を始めました。ですが、その後もいろいろと頼りすぎたことが負担だったようで、一時は壁を作られてしまった時期もありました。