「娘への甘え」を捨てて見つけた、親子でも心地よい距離感

── 同居を続けるうえで、すれ違いが生まれる時期もあったのですね。

 

クラウディアさん:もともと周りに人がいる賑やかな環境が好きな私と違い、アンナはひとりの時間を好むタイプ。一緒に暮らすなら、お互いの生き方や生活スタイルについてきちんと話し合っておくべきだったと反省しました。

 

そこから「親子だからといって甘えてもいい」という思い込みを捨て、「親子であっても距離感を大切に」と意識を変えました。お互いの生き方を尊重できるようになってからは、風通しもだいぶよくなりましたね。

 

── 試行錯誤しながら少しずつ新しい形を作ってこられたのですね。辰夫さんが亡くなってから7年。今のお気持ちを聞かせていただけますか。

 

クラウディアさん:昨年には娘も再婚し、再び、ひとり暮らしが始まりました。寂しくないわけではないですが、昔と比べると、だいぶ気持ちが落ちついてきましたね。私には長年つき合っている4人のお友だちがいるのですが、みな未亡人なので、毎日会っておしゃべりするのが元気の源になっています。

 

 

内閣府の調査によれば、ひとり暮らしをする高齢者の4割以上が、孤独死を身近な問題として不安に感じているといいます。長年、二人三脚で支え合ってきた夫婦ほど、パートナーを亡くしたあとに「ひとりでは不慣れなこと」や「ぽっかりと空いた心の穴」に戸惑うのは、決して恥ずかしいことではありません。

 

家族に頼るだけでなく、友人などの「外の世界」に自分なりの居場所を見つけようとしたクラウディアさん。その一歩は、孤立を防ぎ、自分らしく生き直すための『令和の自立』のあり方を示してくれているようです。

 

取材・文:西尾英子 撮影:伊藤智美  写真提供:週刊女性