共働き夫婦で仕事が抜けられないときも
── 今は、お仕事をしながら子育ても両立されているのですね。
木村さん:家事も子育ても完璧を求めないようにしていますね。夫か私か、できるほうがやる。できなくてもキーキーしない(笑)。家庭の平和を優先して、あまり無理はしないんです。
── 共働きだと、それぞれが忙しい日が重なったりして。
木村さん:子どもが学校に入る前かな。一度、夫婦ともに仕事が抜けられない日があったんです。でも、子どもの預け先がどうしてもなくて、夫が抱っこ紐で子どもを前に抱き抱えたまま、家で仕事をしていた日もありましたね。
今は、子どもが大きくなって学校に通っていますが、やっぱり調整が難しい日もあります。学校行事は前もって仕事のお休みをもらうようにしていますが、それでも調整が難しいこともあって。先生に手紙を書いたり、仲のいいママ友にお願いして、面談の日程を変えてもらったこともありました。
いつも皆さんに助けてもらって、本当に感謝しています。
── 仕事に追われていたり、子どもに寄り添ってあげたくても、余裕がないときもあるのでしょうか?
木村さん:ありますね。迷いましたが、私は、ふたつのことを頑張り続けるより、お仕事を減らして家族を優先させることにしました。もちろん、自分がすごく興味のある仕事や、なかには手放したくない仕事もあるんですよ。
それでも、子どもは、今しかできないことも多いですし。お仕事は、また別のチャンスが巡ってくるように、そのときに備えて今できることをやっておきます。
今は、近所の商店街に行って、馴染みの和菓子屋さんに顔を出したり。そんな些細な時間も楽しいです。家族だけでなく、皆さんに愛情を注いでもらいながら、日々過ごせていると思っています。
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PROFILE 木村多江さん
1971年生まれ。主演映画「ぐるりのこと。」では多数の映画賞を受賞する。以降、ドラマ・映画・舞台等幅広く活躍する。
取材・文/間野由利子 撮影/坂脇卓也
衣装クレジット:ブラウス・ベスト・パンツ/すべてメイメイジェイ(エスケーシー) イヤリング・リング/ともにヴァンドーム青山(ヴァンドーム青山本店) イヤーカフ/ケンゴ クマ プラス マユ(ヴァンドームヤマダ) ブーツ/ダイアナ(ダイアナ銀座本店)