舞台からテレビの世界へ活躍の幅を広げていった木村多江さん。しかし、同じ演じる仕事でも、舞台とテレビでは大きく環境が変わったといいます。慣れない現場で、どのようにコミュニケーションを取っていったのでしょうか?(全5回中の1回)
誰とも喋らないで帰る現場
── 学生の頃から、役者のお仕事を目指していたそうですね。
木村さん:
ずっと憧れていました。高校を卒業すると舞台の専門学校に通って。アルバイトを4つ掛け持ちしながら、オーディションを受けていました。次第に、舞台のお仕事をいただけるようになって、テレビにも出させてもらうようになりました。
── 舞台とテレビでは、現場の雰囲気も違いますか?
木村さん:
慣れもあるんでしょうけど。はじめは、舞台を中心に活動してきたせいか、テレビの現場は、少しアウェイな感じがしました。
舞台は、主役・脇役の違いはあっても1か月くらいかけて、全員がチームになって舞台を作り上げていく感じ。スタッフ全員の距離が近くて、どんどん親しくなっていくんです。
一方、テレビの世界は、もうちょっと距離感があるような気がします。テレビのお仕事を始めた当初は、現場にほとんど知り合いもいなかったし。誰とも喋らないで帰ることもありましたよ。
── 舞台からテレビに環境が変わって、プレッシャーのようなものもありましたか?
木村さん:
「結果を出さないと次はない…」って、ひたすら自分で自分にプレッシャーをかけてましたね。正直、不安で押しつぶされそうでした。
あと、テレビに出ている女優さんは、みんな綺麗な人ばかり。キラキラしていて、私はとても敵わないなって引いてしまって。仕事もコミュニケーションの取り方も迷ってしまった時期はありました。