自分なりに研究してみたものの
── いつからコンプレックスが気にならなくなっていかれたのでしょうか?
木村さん:今も気になるのは気になります。ただ、前ほど、自分で気にしないようにしているというか。
自分なりに、研究はしてたんですよ。たとえば、少しでも気になる部分が目立たなくなるような角度を探してみたり。撮影では、表情や動きでカバーしてみたり。試行錯誤はしてみたんですけど…。
結果的に、「もう、これはしょうがないよね」って諦めがつくようになったのは、30代くらいですかね。
努力してもダメな部分はダメ。それはそれで仕方ないと受け入れました(笑)。
── あらがう訳でもなく。
木村さん:なんとなく、ダメなものはダメと受け入れたらラクになった感じがします。
もちろん、今でもコンプレックスはたくさんあるんですけど、こうやってお話ししながらさらけ出したりね。コンプレックスがあるから、役者としても、人間味が出てくればいいかなって思っています。
また、自分の心って見えないようで、外にも溢れ出てしまう気がするんです。
心の中で我慢したり、怒ってばかりいたら、そんな表情になってるとか。だから、外見はもちろん、内面もなるべく穏やかでいられたらいいなと思っています。
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PROFILE 木村多江さん
1971年生まれ。主演映画「ぐるりのこと。」では多数の映画賞を受賞する。以降、ドラマ・映画・舞台等幅広く活躍する。
取材・文/間野由利子 撮影/坂脇卓也
衣装クレジット:ブラウス・ベスト・パンツ/すべてメイメイジェイ(エスケーシー) イヤリング・リング/ともにヴァンドーム青山(ヴァンドーム青山本店) イヤーカフ/ケンゴ クマ プラス マユ(ヴァンドームヤマダ) ブーツ/ダイアナ(ダイアナ銀座本店)