トライアル期間を設けることで、運用をスムーズに

──先ほど2027年度にKPIを設けていると伺いましたが、実際に制度利用者は増えているのでしょうか?現時点での推移を教えてください。

 

川口さん:

社内制度活用者は、確実に増えています。たとえば配偶者出産休暇取得率は15年度の55.8%が、18年度に76.5%、19年度に79.5%、男性育児休業取得率は15年度5.8%が、18年度16.7%、19年度22.5%といずれも増えています。働き方改革に対しても同様で、在宅・サテライト勤務制度活用社員数は開始した17年8月は67名でしたが、20年3月には932名となっています。KPIを定めることで、成果が見えやすくなっていることも大きいです。

 

──すごい!明確な目標指標を設置することで、着実に理想に近付いているんですね。

 

川口さん:

最近では、19年に「パパママ活躍促進手当」を新設しました。ベビーシッターや延長・休日・病児保育の利用料を、会社が一部補助する仕組みです。利用者はあえて産育休の取得者に限定しており、パパ社員も含めて幅広く取得してもらうことが狙いです。

 

──制度を利用している人がどんどん働きやすくなる仕組みを作っているんですね…面白い!各制度を導入するうえで、心掛けている点は何ですか?

 

川口さん:

働き方に関する制度の場合は、本導入の前に、必ずトライアル期間を設けることです。新しい制度が加わると、働き方の根幹が変わってきます。変化することに抵抗を感じる人も多いので、新しい制度を導入する際はあえて実証実験を元にしたアンケート結果を公表して、具体的な改善結果や数値を見せてから本番につなげています。導入のスタートを丁寧に行って制度を認知してもらうと、実際の運用もスムーズにいくのです。

 

 

制度を作るだけではなく、説明会を行う、本導入前にトライアル期間を設けるなど、周知に時間をかけて実行に移してきた森永乳業。新しい制度を作るときこそ、丁寧にやることを心掛けています。せっかく作った制度が活用されていないのは、もしかしたら社内に「まだ知られていないだけ」なのかも知れません。

 

 

取材・文/秋元沙織 撮影/中野亜沙美