「男やろ、気持ち悪い」。被災地支援を続ける、はるな愛さんが避難所で幼い子どもから浴びた言葉。善意を素直に受け取れない、そんな姿が今も忘れられないと言います。「自分は子どもが欲しかったけど、授かれない人生なので」と言いながらも、子どもたちの未来に懸命に思いを馳せる心の内を伺いました。
「子どもを守りたい」壮絶ないじめも影響し
── こども食堂を長年開いていますが、子どもたちを守りたいという思いは、幼少期の経験が影響しているそうですね。
はるなさん:私もそうでしたけど、子どもの頃ってみんな不安だと思うんです。みんな自分が何者かわからず、何になりたいのか悩んでいる。それに今の時代は情報がありすぎて選択肢がたくさんあるから、どうしたらいいか余計にわからなくなると思います。

子どもって、育つ家庭がみんな違うし、親も選べないし、もっというと生まれてくるときの自分の外側、男か女かだって選べない。学校は、環境や考え方がまったく違う家庭の子どもたちが一斉に集められる小さな社会で、そこに居場所を見つけられない子っていると思うんです。
── 中学生の頃に壮絶ないじめに遭ったと伺いました。
はるなさん:小学生のときは先生がずっと教室にいてくれたのですが、中学生になったら先生が教科ごとに変わるので教室に先生がいない時間があって。休み時間など、大人の目がないときにいじめられて苦しかったです。
松田聖子さんに憧れて、小学生の頃から女装してものまね番組に出ていたんですけど、「女の格好して気持ち悪い」って、同級生の男の子から殴られたり蹴られたり、石灰を口いっぱい詰め込まれたこともありました。もがき苦しんで、死にたくなるときもありました。そんな無法地帯の社会のなかで、子どもって自分の立ち位置を一生懸命探していかなきゃならないんです。不安定な子どもの頃は、大人がのびのびと安全に過ごせる場所を与えてあげてほしいなって思うし、それは大人の役割だと思ってるんです。
── 家族に相談はできましたか。
はるなさん:うちは小さいときに親が離婚して、家のガスや電気も止まって、借金取りが来ることがありましたし、母親が苦労して働いているのを知っていたので、これ以上、迷惑はかけられないと思って話せませんでした。
学校に行きたくないけど、行かないと母親が心配すると思って、行ったふりをしてウロウロしたり、遅れて行ったり。「親に先生から親に電話がなるべくいかんように」って思ってました。子どもって、いじめの話は親に話しにくいと思うんですよ。心配かけたくないですから。