「大好きだった祖母」が、父にとっては「憎むべき親」だった
── 一家離散の原因を作ったお父さんがなぜ暴力的になったのか、西坂さんはご自身でブログに「祖母の抑圧的な育て方が影響しているかもしれないと悟った」と綴っていらっしゃいます。
西坂さん:僕が大好きだった祖母は、父にとっては憎むべき親だったんだと思います。「長男だから家を継げ」「大学なんか行く必要ない」と言われ、将来を選択できなかったことを父はずっと恨んでいたようです。そのうえ、田舎の風習で長男だけは待遇をよくするという兄弟間で理不尽な格差をつける教育をしていました。

同じように、日本独特の家族の関係性が強いられる社会のせいで、苦しんできた人はたくさんいるはずです。特に女性は、家を守る役割を与えられたことで家に閉じ込められる生活を強いられるパターンも多かっただろうし、昔ながらの嫁姑問題が起因している場合もあると思います。もっと時代をさかのぼると、戦争の帰還兵の方などのPTSD(心的外傷後ストレス障害)も、暴力などの背景にあるんじゃないかと思っています。
ネグレクトも含め虐待には必ず背景があって、実は誰にとっても身近な問題だということに気づく必要があります。僕自身、自分の子どものころからの苦しみに今になって気づいたことをきっかけに発見したので。