何のためにリハビリをやるのかわからない絶望

── 手術は長くかかったのでしょうか。

 

岸田さん:7時間以上かかりました。目が覚めたら、胸から下が動かせなくなっていました。命を救うことを最優先にするために上半身に血流を集中させた結果、下半身が麻痺してしまったんです。

 

手術が終わって1週間経っても、私は寝返りさえできませんでした。寝たきりで、着替えや食事も誰かの手を借りないとできません。もう好きなところへ自由に行くことはできないし、好きな服も着られない。何をするにも人に迷惑をかけてしまう。子どもたちのことを思うと「生きている意味はあるのかな」と思ってしまって、ひとりになると毎日泣いていました。

 

とにかく車いすに乗って動けるようになるように、転院してリハビリを始めましたが、これがしんどくて…。下半身の筋肉がないので、1年くらいはベッドの上に座っただけで貧血を起こしていました。食欲がないし、気力も出ません。

 

歩けるようになるならいくらでもやるけれど、どんなにリハビリをがんばっても、一生車いすの生活には変わらない。それなのに何のためにリハビリをやるのかがわからなくて、一時期は「どうやってサボろうかな」ということばかり考えていました。