自分を責め、追い詰めた私に夫が告げた言葉

── それは頼もしいですね。
岸田さん:でも私は、医学書を読めば読むほど不安になりました。ダウン症の子の療育を見学させてもらいましたが、そこにいた3、4歳の子たちは、誰も言葉を話していなくて、見た目より幼い印象を受けました。「ダウン症は治らない」とわかっていても、現実を目の当たりにして落ち込んでしまいました。双方の両親にも心配をかけてしまって、「良太がダウン症で産まれたのは、自分のせいだ」と自分を責めて、「私ががんばらなければ」と自分を追い詰めてしまっていました。
良太が産まれて1か月くらいたったころ、夫に「私には無理かもしれない。良太とふたりで消えてしまいたい」と弱音をはいてしまったんです。そうしたら、夫は「わかった。ママが育てられないなら、育てなくていい。良太を施設に預けたっていい。ママがいちばん大事やから」と言ってくれました。
もちろん、夫は子どもを大事に思っていましたし、私が良太を育てていけることがわかっていたと思います。でも、もしあのとき「親のくせに何を言ってるんや、がんばれ」と言われていたら、私はもっと追い詰められていました。つらい気持ちを認めてもらい、寄り添ってもらえたことで、そのときの私はびっくりするくらい救われました。「ママがいちばん大事」という夫の言葉に、それからもずっと支えられました。