精神科医が提案する依存を減らす4つのアイデア

親子の信頼関係を損なわず、子どもに健全な対応をうながすために、カジアーノ博士が提唱するのは以下の4つのアイデアです。大事なのは、子どもが何を大事にしているかをまず見極め、小さなステップから始めることです。ただし、ここで言う「小さなステップ」の定義は親子でズレが生じがちな部分。親の思い込みによる意外な「落とし穴」があるかもしれません。

1「25%ルール」を導入する

たとえば、子どもが休日に4時間ゲームをしていて、親は1日1時間以内に減らしたいとします。いきなり「1時間以上はダメ!」と言ったところで子どもは反抗するでしょうから、4時間から25%分を引いた時間、つまり、1日3時間までならOKとします。親はこれでは不十分と感じるかもしれませんが、子どもからすれば大きな譲歩と感じられます。まずは子どもが納得できるレベルから始めましょう。

2 親が管理できるルールを設定する

「夕方5時までに宿題を終わらせたら、ゲームをしてもOK」というルールを子どもに要求する場合、親自身も毎日夕方5時までに宿題を確認できるようにする必要があります。その時間に親が職場にいたり、出かけていたりするなら、子どもは親の目の届くところにいないため、ルールが守られることはないでしょう。親が管理できないルールを確立してしまうことは「親の発言を無視していい」と子どもに伝えているようなものです。

3 報酬を設ける

ゲーム時間などを減らすためには、報酬を設けることも有効です。たとえば「ルールを1か月守れた場合の報酬」を設定してみましょう。このとき、子どもはゲーム関連の報酬(「新しいゲームがほしい」などの報酬)を要求することが多いと思いますが、お菓子のような一時的な報酬のほうが有効です。ゲーム関連の報酬は有害な影響が多いので注意が必要です。たとえば、報酬として1日余分にゲームをさせてしまうと、翌日にゲームをやめさせるのは難しくなります。

4 ペナルティを具体的にする

設定したルールを子どもが破った場合、単なる「ゲームの禁止」は適切なペナルティではありません。具体的に説明する必要があります。ポイントは広い視野で考えることです。たとえば

  • ひとりでゲームをするのはいいが、オンラインゲームは禁止
  • 子ども部屋でのゲームは禁止。ゲーム機を家族全員の目の届くリビングに移動する

 

などです。ルール作りのポイントは、子どもが実現できそうな現実的かつ具体的な計画にすることです。最初から欲ばらず、死守すべきほんの小さな目標を見つけ出すことから始めましょう。

奥深くにある子どもの欲求不満に目を向けて

子どもの健康をめぐるさまざまな問題の出現により、デジタルデバイスの使用年齢や時間に制限をかける対応が必要なことは明確ですが、そもそも「なぜ、スマホやゲームにのめり込んでしまうのか」という根本的な面を理解しなければ、イタチごっこになりかねません。大事なのは、「奥深くにある子どもの欲求不満に目を向けること」です。

 

まずは、なぜそのゲームが好きなのか、ゲームをしているとどのような気持ちになるのかを知ること。そして、ゲームをすることで満たされていることを知り、子どもの欲求を現実世界で実現できるように親が導くことが必要です。

 

ゲームを取り上げるなどと脅したり、成績のことで文句を言ったりすると、子どもは防衛的になり、親とのコミュニケーションが遮断されてしまいがちです。言い争うのではなく、理解すること。ゲームそのものが悪なのではなく、自分でゲーム行動をコントロールできるようになればよいと理解することが大切です。

 

文:ちゃんと編集部 写真:PIXTA