テレビを見た母から「なんか目が出てない?」

── バセドウ病と診断後はどのように治療されたのですか。

 

鍋谷さん:すぐに薬を飲み始めました。ただ最初に処方された薬が合わず、蕁麻疹が出てしまって。薬を変えてようやく落ち着きました。甲状腺ホルモンに関する血液検査の数値も基準値ではありませんでしたが小康状態で、動悸や汗をかきやすいといった症状は多少ありましたが、目に見えるような体重減少も最初のころはなかったんです。

 

ただ2012年の末ごろに、テレビを見ていた母から「なんか目が出てない?」と電話があったんです。バセドウ病の治療で通っていた病院の先生に相談したら専門の先生を紹介すると言われ、検査した結果「甲状腺眼症」という病気が判明したんです。

 

── そう言われるまで鍋谷さん自身はあまり気にしていなかった?

 

鍋谷さん:母に言われるまではまったく気にしていなかったです。でもそう言われてからすごく気になってしまって。その後、目の突出も少しずつ目立つようになってきて、周りからも「目が落ちそうだよ」と言われることも増えて、少し不安になることもありましたね。

 

── 当時は病気のことを知らないとはいえ、周囲のなにげないひと言や心ない言葉に傷つくこともあったのではないでしょうか。

 

鍋谷さん:自分としては普通にリアクションしているつもりでも「目がでかい!」と言われ、当時は笑って受け流していましたけど、やっぱりショックだったし自分の顔ってやっぱりそうなんだ…と落ち込むことがありました。

 

そういうときは普段から何かが起こったときに相談していたのは家族だったんですが、とくに病気のことは自分の内側の問題ということもあって、友だちや同期にもさらけ出さず、すべて家族に話をして完結させていた感じでした。

 

バレーボールがやりたくてチームに入ったのに思うようにプレーができないときは苛立って、両親には「どうしてこんな身体なの?」と愚痴ることもありました。振り返ると、本当に酷な言い方をしていたと申し訳ない気持ちでいっぱいなんですが、当時は弱音を吐けるのが父や母しかいなくて。それでも「あなたの身体がいちばんだから」とサポートしてくれたんですが、その言葉や後押しがなかったら、間違いなくバレーボールを続けられていなかったと思います。

 

基本的に外にいるときは「目がでかいよ!」と言われても「ありがとうございます~」と笑って返して、相手が不快な思いになるような態度はしないよう心がけていました。