最初はうまくできなくて毎日のように泣いていた

花岡理恵
TokyoFMラジオ出演時

── 字幕監修者というのはどんなことをするのですか?

 

花岡さん:何もないところから自分で翻訳するのではなく、翻訳者さんが訳してきた字幕のセリフを監修します。外国語のドラマや映画に字幕をつけるには、とてもたくさんのルールがあり、それに則っているかをチェックする部分も大きいです。どんなにいい翻訳だったとしても、ルールに則っていなかったら納品しても戻ってきてしまうので。

 

── たとえばどんなルールがあるのですか?

 

花岡さん:「日本語字幕は、韓国語のセリフが始まってから言い終わる範囲内で読みきれる長さでなくてはいけない」「人称を統一する。たとえば自分のことを“俺”という登場人物は最初から最後まで“俺”で通す」といったようなルールです。そうしたルールをチェックしたうえで内容の正確さや、場面状況や登場人物にもっと合っている言葉はないか確認します。疑問に思うところがあれば、どういう意図があって訳したのか翻訳者さんに聞き、ときには代案を提案して字幕をブラッシュアップし、納品するまでが字幕監修者の仕事です。それと同時に表記の統一もチェックしていきます。

 

── 実際にやってみて、字幕監修のどんなところが大変でしたか?

 

花岡さん:最初はとにかく一つひとつのセリフに立ち止まってチェックしていましたし、細かいルールがまだ自分のなかに落とし込めていないので何度も確認しながら進めるため、時間がかかって。本当に大変で、毎日のように泣いていました。でも、プロとしてやり始めたからにはやるしかありません。上司にその都度、厳しくチェックしてもらい「この会社で一人前になったらどこでも通用するよ」という言葉を励みに必死に取り組んでいました。