何か悩んでいるのは今、肝心なものが見えていないだけかも
── 住吉さんと同じように不妊治療で悩まれていらっしゃるかたに、メッセージはありますか。

住吉さん:よく「恋は盲目」と言いますが、婚活でも不妊治療でも、人間ってその渦中にいると他が見えなくなってしまうんですよね。たとえば、日常にあるふとした幸せな状況とか、周りに頼れる友達がいること、見えていなかった自分のよさ、元気に生きていることの喜び、とか。
今は私もそういうふうに思えていますが、婚活や不妊治療をしていた時期は何年も固執してしまっていて、気持ちのうえではかなり低空飛行の日々を過ごしてきました。当時から自分を俯瞰で見られていたわけではないんです。
なので、もしたまたま今、この記事を読んでくださっているなら、これもものの見方を変えるきっかけだと思っていただきたいなって。もし、何かに悩んで苦しいと感じている人は、そこに固執してしまっているだけなのかもしれません。苦しいことから少し距離を取って、一度自己対話をしてみる。人生を棚卸しをして、気持ちを整理してみるのはどうかな、と思います。
── 自己対話が苦手、という人もいるかもしれません。コツはありますか?
住吉さん:たとえば、就職活動の際には、自分は何が得意で何が不得意か?と自己分析をしたりしますよね。そういった就職活動のプロセスにもう一度取り組んでみるのも何かの発見になると思いますし、その結果を仲のいい友達とシェアしてみるのもいいと思います。そういう糸口から、自己発見ができることもあると思います。
あとは、自分の内側を観察するクセをつけることも大事ですよね。ヨガでも「今、体の中があったかくなってきましたね」とよく言うじゃないですか。あれと同じで、何かの出来事があったときに「今私、怒りが湧いてきているな。どうしてだろう」と自分の内側を観察して内省してみる。私はそれを自己対話のきっかけにしています。