やせても周囲は無反応…そこで気づいたのは

── やせてから周りの方のリアクションはどうでしたか。

 

よーこさん:「やせたね!」って言われることを期待して誰にも言わずにダイエットに励んだのですが結局、ひとりのママ友にしか「やせた」と言われなかったんです。自分ではすごく変わったと思っていても、もともと太っている人がやせたってあんまり気づかれないんだなって思いました。夫は私が太っていたのを本当に気にしていなかったのでまったく気づいてなかったですね。「やせたと思わない?」って聞いても「あ、本当だ」って言うくらいで(笑)。

 

── そんな…。それは悲しかったのでは。

 

よーこさん:あまり悲しいとかはなくて「あ、そっか」という感じでした。太ったことを気にしていても、人はたいして見ていないって気づいたんです。マイナスにとらえたら「私のことなんて誰も見てない」って思ってしまうかもしれないけど、誰かに認められたいとかほめられたいとかそういうのではなく、私がやせたかったらもうちょっと頑張ってやせればいいんだなって。

 

「やせたい」「きれいになりたい」とか言っていても「やせてない」「きれいじゃない」って自分をいちばん責めているのって結局、自分なんですよね。

 

── 先ほどおっしゃっていた「自分を勝手に否定していたのは自分だった」というお話にもつながりますね。

 

よーこさん:そうなんです。私は自分が自分を責めていると気がつくのにヨガがとても役に立ちました。更年障害のような症状になってからはヨガをやる気力も余裕もなくなっていたのですが、リストラティブヨガという、休むタイプのヨガだけは続けていました。

 

リストラティブヨガは20分ぐらい同じポーズでただ脱力するヨガで、体をリラックスさせることができるんですね。仰向けに寝て背骨の下に毛布を丸めて入れて寝ていると、体がだんだん開いてくるんです。呼吸や伸びているところに集中していると、自分がどう感じているかわかってくるんです。ヨガをやっているうちに心が落ち着くのは、頭で考えるのではなく、自分がどう感じているかがわかることにあるのかなって思います。

 

── ヨガを通して、自分の心と向き合う感じなんですね。現在、SNSでぽっちゃりの方や更年期障害のような症状に悩む方向けにヨガの情報を発信してらっしゃいます。その思いを教えてください。

 

よーこさん:更年期障害のような症状でつらい思いをした経験は私の強みだと思っています。それを活かして情報発信のほか、5月からオンラインヨガを始めました。

 

症状が改善し始めたころ、海外には先生も生徒も全員太っている「プラスサイズヨガ」というものがあると知って。リアル開催は無理かもしれないけれどオンラインだったらできるかなって思ったんです。ヨガっておしゃれでヘルシーでやせている人がやっているものってイメージもあって、スタジオに行くのは敷居が高いですよね。実際に「太ってるのになんで来たの?」って言われたという話を聞いたことがあります。家でオンラインできるんだったら、太っている人もやりやすいかなと思ったんです。アーカイブでも見られるので、通うのが大変な人も、お仕事をしている人も自分のペースでできますし。

 

誰に見せるわけでなくても、40代50代になって、できなかったヨガポーズができるようになるのも自己肯定感が上がりますよね。ぽっちゃりさん、更年期障害のような症状で悩んでいる方、体がかたいなど運動が苦手な方、メンタルを改善したい方など、悩んでいる方の手助けになれたらいいなと思っています。

 

PROFILE よーこさん

ヨガ講師指導歴11年。更年期で15キロ体重が増え、ダイエットを開始。マイナス14キロを達成した現在は自身の経験を活かして、ぽっちゃりさんや更年期障害のような症状に悩む女性が心身ともに健やかに過ごすための情報をInstagramで発信中。5月からはぽっちゃりさん向けオンラインヨガサロンも始めた。

 

取材・文/阿部祐子 写真提供/よーこ