いまだガラケー持ち「メリットもたくさんある」
── ガラケーで不便は感じませんか?
勝俣さん:情報があふれる世の中って、自分なりのブレーキのようなものを持っていないと、それによってつまずいたり、押し流されてしまう気がします。だから僕は、必要以上のものは持たないようにしているんです。持たない勇気も必要ですよ。僕にはガラケーがちょうどいい感じです。 電波は入りにくいし、すぐにバッテリーも切れるけれど、とくに困ることはありません。電車にもよく乗りますが、変装はしません。だって、みんな下を向いてスマホを見ているから、誰も僕に気づかない(笑)。たまに、おじいちゃんやおばあちゃんと目が合うくらいですね。
── 必要なもの以外持たないという考え方には、潔さを感じます。自分にとって大事なものが明確でいらっしゃるのでしょうね。
勝俣さん:ガラケーのいいところって、じつはほかにもあるんですよ。自分のペースを崩されにくいし、急なお誘いも入りにくいから、家族との時間を大切にできるんです。僕にとっては、仕事や人との「ちょうどいい距離感」を保つための手段でもあります。だからいまのところ、スマホに替えるつもりはないですね。
── 勝俣さんといえば、「知名度抜群なのに熱狂的なファンがいない」と、番組などでよくいじられ、「ファン0人説」は、バラエティ番組の企画になるほど。ぶっちゃけ、嫌じゃなかったですか…?
勝俣さん: いや、全然嫌じゃなかったですよ(笑)。むしろ「最高におもしろいな」って思いましたよ。だって、ファンがゼロなのに、何十年もテレビに出続けているって、どう考えても最高じゃないですか(笑)。逆に「ファンゼロ」という新しいキャラクターをもらえたと思って、感謝しているくらいです。それをきっかけに、若い世代の人たちが僕を知ってくれるようになったらラッキーだなと。
── ポジティブ全開ですね。今年3月で還暦を迎えられましたが、短パンスタイルで「シャーッ!」と叫ぶエネルギッシュな姿は、とても60代には思えません。
勝俣さん:中身はまだ中学3年生くらいですからね(笑)。でも、節目を迎えるたびに思うんです。「お世話になった人たちにちゃんと恩返しをしたい」って。還暦を迎えて、その思いがますます強くなりました。

だからこそ、もっと自分を磨かなくちゃいけないし、ブラッシュアップしていかなくてはという気持ちになりました。最近、できる仕事しか来なくなったなと感じることが多くて、やったことのないような仕事が来ると、すごくうれしくてワクワクします。新しい出会いにも、まだまだ期待しているんです。60代ともなると、コメンテーターやスタジオでVTRを観ながらコメントする立場になることが多いですが、僕はまだロケに出て、多くの方々と交流を持ちたいです。そのほうが性に合っているんですよね。