芸能生活37年目を迎えた勝俣州和さん。芸能人同士の交流や情報発信にスマホは必然かと思いきや、いまも「ガラケー」一筋。なんで?不便じゃない?そこには仕事や情報との向き合い方の極意がつまっていました。(全5回中の4回)
仕事の「やらず嫌い」はやめようと決めて
── 今年で芸能生活37年を迎えた勝俣州和さん。昭和、平成、令和と3つの時代を駆け抜け、いまなお第一線で活躍し続けることは、決して簡単なことではありません。あらためてご自身ではどのように感じていますか?

勝俣さん:これまで目の前の仕事に一つひとつまじめに向き合ってきましたが、その積み重ねがいまにつながっている気がします。「かっちゃんだったらこれもできるんじゃない?」と、いろんなことを任せていただいて。その経験が自分を育ててくれたんだと思います。それこそ無茶ぶりのような企画もたくさんありましたけど(笑)、実際にやってみると、自分でも想像していなかった化学反応が起きて、新しい扉が開いていく感覚があるんです。だから「苦手だからできない」と、勝手に決めつけるのはもったいないなと。「やらず嫌い」はやめよう、と思うようになりましたね。
同じことばかり繰り返していると、成長が止まってしまう。器用貧乏になって、こじんまりとまとまってしまうのが、いちばん怖いんです。だからこそ、つねに新しいことに挑戦していきたい。毎日違うおもちゃを与えられて、その面白さをどうやって人に届けるかを考える。それが僕にとって何よりワクワクすることなんです。ずっと遊んでいるような感覚でやっています。
── 変化に対応していく柔軟性は大切ですよね。いまは、ちょっとした発言がSNSなどで炎上してしまうこともありますが、難しさを感じることはありますか?
勝俣さん:じつは僕もこれまでに何度か炎上しているんです。番組のコメントがきっかけで…。そういうときはまず事務所に確認して、「ああ、これは言わないほうがよかったんだな」と、学ぶようにしています。ただ、むしろありがたいと思っています。「自分の真意とは違うけれど、このコメントからそんな風に受け取られることもあるんだな」と気づけますから。じゃあ、次はどう伝えようかなと考えるきっかけになります。反省を糧にして次に活かす、それが大事ですよね。
一方で、気にしすぎないことも大切だと思っています。考えすぎて押しつぶされてしまう人もいるけれど、僕はいまだにガラケーなので、SNSが炎上していても、そもそも見られないんですよ(笑)。でも、それが結果的に、自分を守ることにつながっているのかもしれません。