塩は原料だけでなく製法でも違いが

── 家に塩が1種類しかない場合もあれば、調味料に凝っていろんな塩を集めているなど、さまざまかと思います。一般家庭では、何種類くらいの塩があると便利ですか?

 

青山さん:
塩によって味が違うので、楽しみを広げる点ではいろいろあったほうがいいですが、まずは3種類くらい。

 

適塩のため、料理自体は薄味で作って食卓で味を仕上げる「味つけ自己責任」スタイルをおすすめしていますが、その場合も3種類あると味の変化を楽しめます。プラスごま油やオリーブオイル、レモン果汁も一緒に並べると、塩との組み合わせで中華風やドレッシング代わりになるなど、かなり便利ですよ。

 

── 3種類くらいなら手軽ですし、塩とオイルの組み合わせは味が広がりますね!ただバリエーションとして、どう選べばいいのか迷いそうです。

 

青山さん:
塩の原料は5種類、製法は大きく分けると2種類あります。

 

まず原料は海水から作る「海水塩」、地中から取り出す「岩塩」、ウユニ塩湖など湖の水からできる「湖塩(こえん)」。そのほか、温泉など地中にたまった塩分濃度の高い水から作る「地下塩水塩」、塩を溶かしてにがりなどを加える「再製加工塩」の5種類。

 

製法は人工的な熱を加えず太陽と風だけで作る「天日塩」のほか、熱を加えて結晶化させる「煎熬塩(せんごうえん)」や「釜炊き塩」と呼ばれる製造方法があります。

 

── 原料によって、味や特徴の違いは大きいですか?

 

青山さん:
原料やその産地によって含まれるミネラルは変わりますが、粒の大きさや味わいは製法で左右されるところが大きいです。

 

同じ海水でも、製法でいろいろな味の塩を作れるのが、塩の奥深いところだと感じます。

 

塩は原料や製法の違いだけでなく、見た目もさまざま