料理の味を左右する塩加減。質のよい塩はミネラルを豊富に含み、代謝を高めるなど体の働きを助けてくれます。食べる楽しみを広げ、不足しがちなミネラルを補うには、どんな塩を選べばよいのか?シニアソルトコーディネーターとして多くのセミナーを実施し、塩に関するアドバイスをしている青山志穂さんに、お話を聞きました(全3回中の2回)。
日本人はミネラルが不足しがち
── 質のよい塩とは、どういうものでしょう?
青山さん:
健康という観点からは、味も大切ですが、ナトリウム以外のミネラルが豊富なことが、質のよい塩の条件です。
種類や製法によって異なりますが、おもな成分であるナトリウムをはじめ、マグネシウムやカリウム、カルシウムなど、多くのミネラルでできているのが塩です。
塩分=ミネラルが不足すると体内の水分を保てなくなる以外に、酵素などが上手く働けずに代謝が下がるほか、体調に影響が出るといわれています。ミネラルは種類によって体の働きを助ける要素が異なるので、「ナトリウム以外のミネラルがどれくらいあるか?」を確認するのがわかりやすいと思います。
── どんなミネラルが含まれるか、どう確認すればいいでしょう?
青山さん:
店頭などで確認する場合、パッケージの成分表示に記載されています。
今はいろいろな塩が手軽に買えますが、昔は国の専売制度でほぼナトリウムだけの塩しか買えない時代がありました。そのせいか塩の質を意識することが、少なかったと思います。
日本は軟水で、専売制度下では塩のミネラルも限られていたため、海外と比較してミネラルが不足しがちといわれています。ほかの食品でもミネラルは摂取できますが、塩は日々使うものなので、質のよい塩で上手に補ってもらいたいです。