フレックス休暇を活用して大学に通う社員も

── では、シンガポールのオフィスで働く日本国籍の社員の方にお聞きします。どんなふうにこの制度を活用していますか?

 

社員Aさん:
シンガポールの祝祭日に休暇を取るのではなく、出身国の休みや一時帰国のタイミングなどに合わせて柔軟に休む日を変えています。

 

また、働きながら、シンガポール国立大学に在籍し、パートタイムでコンピュータサイエンスを学ぶコースを受講していました(現在は修了済み)。

 

テスト前は集中して勉強したい場合が多くあり、その際にフレックス休暇を利用して休みをずらして対応しました。また、一時帰国時にも利用できるので長期休暇のときにも利用しています。

 

シンガポールのオフィスで勤務する日本国籍以外のメンバーも私たちと同じように海外から来ているメンバーが多く、一時帰国時にフレックス休暇を活用しているのを多く見かけます。

 

── フレックス休暇があってよかったと思うことはありますか?

 

社員Aさん:
もちろん業務をスムーズに進めることが前提の休暇制度なので、休暇日の前後に業務を効率化するための工夫は必須ですが、基本的には自分の都合に合わせて休暇を取得できるので助かっています。

 

── 業務では良い効果は生まれていますか?

 

社員Aさん:
私は、月に1度リリースがあるプロダクトの開発を担当しているのですが、月末の締め切り前は忙しくなることがあります。こういった場合は祝日でも出社でき、業務が落ち着くとそのタイミングに休暇を取得できるので、気持ちに余裕が生まれていると思います。リフレッシュできたという実感も以前よりも大きくて、業務に戻るときにもっと前向きになれているのを感じます。

 

── では杉山さんにお聞きします。今後、フレックス休暇を通してどんな職場環境づくりを進めていきたいですか?

 

杉山さん:
「どのような制度があればクリティカルワーカー(問題解決能力を有する人材)が活躍できるか」が私たちが制度設計において一番大切にしていることです。これからも社員一人ひとりの声を聞きながら、改善できるところは改善をして、業務と休暇がそれぞれ良い影響を与え、より社員が仕事で力を発揮しやすい制度を整えていきたいです。

取材・文/高梨真紀 画像提供/ワークスアプリケーションズ