「もっと側にいたい」と今春から学童をストップ

── 小学校の後は学童保育に入れていらっしゃるんですか?

 

中澤さん:実はこの春から、学童はやめたんです。

 

今春、下の子が小学校に入学したんですが、上の子を引き続き学童を続けるか悩んで、夫と話をしたんですが「大事な時期だし、もっと子どものそばにいたい」という結論になりまして。もちろん、仕事もしたい、という葛藤はあるんですけれど…。

 

夫も、私の仕事に対して理解してくれてるので、2人でスケジュールを合わせて、子どもを中心に、お互い仕事もしっかりやりながらやっていこうということで、学童は今年はもう入れなかったんですね。

 

── ということは、お仕事は今、朝お子さんを送り出してから帰宅する2~3時くらいまでの間でやっていらっしゃるんですか?

 

中澤さん:そうです。基本福岡来てからは、子どもたちが学校や幼稚園に行ってる間のお仕事をメインでやらせてもらっていて。

 

どうしてもお仕事で遅くなるときは、主人とバトンタッチで、子どもたちをケアできる環境をつくっています。仕事もしたいんですが、今はできるだけ子どもと一緒にいたいんです。お母さんがいるのが当たり前の生活で、そこに何の疑問も持たずに育ってほしいんですよ。

「なんで私の仕事なのに、私が決められないんだろう」

中澤裕子
「ももち浜ストア」(テレビ西日本)にレギュラー出演している中澤裕子さん

── 仕事をある程度セーブすることは、自分のなかで割りきれましたか?

 

中澤さん:今もすごく悩んでいます。

 

やっぱりスケジュールをすぐに返事できないのが心苦しいですね。かといって、お断りするのも嫌だし、お仕事を通じた出会いも大事だと思っているんです。それでも、子どもといたんですよね…。子どもが生まれてから今日まで、ずっと悩んでいます。

 

── スケジュールは子どもの状況で変わったりもしますもんね。

 

中澤さん:そうなんですよ…。本当に思い通りにいかない。「大丈夫だろう」と思ってたことが全然大丈夫じゃなかったり、逆にスムーズに行くときもあるし、本当にわからない。

 

仕事もしたい、お母さんとしてもちゃんとしたい、妻としてもちゃんとしたいと、同じ環境の方々は思っていらっしゃると思うんですけど。皆さんうまくやっていらっしゃるし、私もそうしなきゃいけないんですけど…。うまくいかないこともいっぱいあります。

 

── 仕事と育児の両立で工夫していることや、旦那さんとのルールを決めていらっしゃることはありますか?

 

中澤さん:基本的には、お仕事のお話をいただいたときには、子どもがいない日を選んでいるので、学校行事やカレンダーがすごく重要ですよね。私が1人で決められることが実はひとつもなくて。まず主人のスケジュールを確認するところから始まりますね。

 

「なんで私の仕事なのに、私が決められないんだろう」ってイラッとすることも当然あるんですけど…。でもひとりで生きてるわけじゃないから、しょうがないなと思いながら、泣く泣くお断りする仕事もあったりもします。

 

── 気持ちの整理はどういうふうにつけていらっしゃるんですか?

 

中澤さん:そうですね。…もう諦めるしかない。

 

またご縁があれば、お声かけていただけるだろうし。中途半端にお受けして、不完全燃焼で終わってしまうぐらいだったら、潔く「今回はお受けできず、すみません!」って割りきらないと、引きずりますよね。

 

── そうですよね…。

 

中澤さん:逆に、子どもを主人にお願いして仕事に出たときも、心のなかでは「あの子たち今日大丈夫かなあ」と思ってしまう。そこは、子どもを置いてまで来ているんだから、「100%やりきろう」と切り替えています。

 

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PROFILE 中澤裕子さん

中澤裕子

1998年にモーニング娘。としてデビューし、初代リーダーを務める。2001年にモーニング娘。を卒業。歌手活動のほか、ドラマや舞台で女優としても活躍。2014年に夫や子どもと共に福岡県に移住し、タレントとして活動。TNCテレビ西日本「ももち浜ストア」にレギュラー出演。

取材・文/市岡ひかり 写真提供/中澤裕子さん