新しい働き方のメリット・デメリットとは
──全会一致ですね!(笑) コロナ後の新しい働き方は、具体的に何が働きやすいですか?
小林さん:
私自身の働き方は大きく変わらなかったと言いましたが、夫が在宅勤務になったことで家事が分担できるようになりました。夫はもちろん、子どもたちもオムライスを作ってくれたり。家事の量や食事の回数は増えたけれど、負担は半分になった気がします。
古川さん、伊藤さん、増田さん:
すごい!
──働き方が変わったことで、家族と過ごす時間にも変化が生まれたんですね!
古川さん:
たしかに、在宅勤務になったことで時間にゆとりが持てるようになりました。娘とお菓子作りを楽しんだり、普段できない経験ができました。あとは、仕事の後にオンラインセミナーやウェビナーで勉強する時間が取れたことで、ビジネスの交流範囲も広がりました。現在は通常出社に戻りつつありますが、満員電車はもう乗りたくないです。
伊藤さん:
娘とずっと一緒にいられたのは育休中以来でしたが、本来の働き方をしていたら見過ごしたであろう姿をたくさん見ることができて、とても貴重な時間になりました。
増田さん:
私も娘の成長の瞬間に立ち会えたことが嬉しかったです!仕事では会議時間がオンライン化したことで短縮されたり、通勤時間がなくなったことでストレスフリーになりました。時間に余裕ができたので、映画やドラマも見られるようになったんです。これまで加入していなかった動画配信サービスに4つも入ってしまいました(笑)。
コミュニケーションの工夫や自己管理は求められる
──どれも良い変化ばかりですね。では逆に、新しい働き方ならではの問題点はありましたか?対応策や心掛けていたことも教えてください。
古川さん:
チームで行う仕事には難しさを感じました。例えばチーム全員で印刷物やデータをチェックするときなど、離れていることで認識に齟齬が生じるようになりました。それを解消するために、最新情報は必ずサーバーに上げるなど、データを扱う際のルールが増えましたね。
あとはコミュニケーションも難しかったです。私の職場ではコミュニケーションツールとして主にSkypeを使用していたのですが、確認の電話をする際に、初めて話す相手だったりすると顔や表情が見えなくて反応が分かりにくかったです。
増田さん:
顔が見えないコミュニケーションは難しいですよね。私はテキストコミュニケーションの難しさを再認識しました。誤解を生まないように…と気をつけるあまり、ついついメールが長くなってしまいました。
社内の人との直接コミュニケーションをとる機会が減ったことで、雑談のなかから生まれるようなアイデアが出にくくなったようにも思います。新入社員の「コミュニケーションが取れなくて寂しい」という声を聞いてからは、ミーティングなどの終わりに、仕事には関係のない話をみんなでする時間を設けてはいるんですが…。
小林さん:
みなさんの話を聞いていると、新しい形のコミュニケーションが生まれつつあるような気がしますね。
私は元々お客さんとのやりとりはメールやマーケットサイトのメッセージ機能を使っていました。ただ、需要増で忙しくなったので、問い合わせ対応に追われて他の作業ができないようなことも…。そこで音声入力を活用して返信文を作成していました。
──これまでは直接話したり、電話をしたり、テキストコミュニケーション以外のコミュニケーション方法もありましたが、今後はテキストコミュニケーションの方が増えていくかもしれませんね。そうなると、小林さんのような工夫も必要かもしれません。
小林さん: コミュニケーション方法が変わることで、コミュニケーションに使うツールも変わってくるかもしれませんよね。
伊藤さん:
使うツールの変化まで考えていませんでした!
実はひとつ気になっていることがあって…。職場のチーム内では私だけ在宅勤務だったのですが、グループチャットにどの程度参加すればいいのかの見極めが難しかったです。特に、自分が直接関わっていない案件はどうしよう、と…。
古川さん:
オンラインだと「参加している」状態が難しいですよね。成果物とか、オンライン会議での発言とか、チャットでのコメントとか、形に残るものを見せないと「仕事をしていない!」と判断する上司世代の人もいるかもしれませんし。仕事の成果についての捉え方も変わっていくのかもしれませんね。