遅い夕食は避けたいけれど、もしそうなった時は

 

——脳と内臓を休めることが重要なんですね。深部体温を下げるために、他にした方がいいことはありますか?

 

西川さん:

これもよく言われていることですが、夕食を食べてすぐに寝てしまうと、内臓が働いている状態のまま寝ることになります。ですので、深部体温が下がらず、浅い睡眠しかとれません。少なくても、就寝前の2時間、できれば3時間前までには夕食を摂り終えるようにしてください。

 

夕食が遅くなってしまう場合は、夕食を2回に分けてみましょう。夕方におにぎりやゆで卵といった手軽に食べられて腹持ちのいいご飯を食べ、就寝前はできるだけ軽いものですませてください。

 

夜遅い食事は、翌日の朝食にも影響し、体内時計が狂う原因になってしまうので、忙しい人ほど何とか工夫してほしいもの。できるのであれば思い切って夜はバナナヨーグルトだけで終わらせて、朝ごはんを楽しみに眠りについてしまいましょう。

 

寝る前にスマホを見たいなら大事なことが1つある

 ——寝る前にした方がいいこと、してはいけないことはありますか?

 

西川さん:

寝る前にパソコンやスマホなどを見てしまうと、メラトニンの分泌が止まってしまいます。できれば寝室にスマホを持ち込まないようにしたいものです。

 

しかし、私たちにとって、夜寝る前は唯一ゆっくりできるプライベートの時間でもあると思います。スマホをどうしても見たいという方も多いでしょう。その場合は、「画面の明るさをなるべく暗くする」、「ブルーライトカットシートを貼る」などして、少しでも明かりを抑える工夫をしてください。

 

どうしてもユーチューブが見たい場合は、画面は見ずに音だけ流して「YouTubeを聞く」というのがおすすめです。これは私もときどきやっています。

 

睡眠のプロが熟睡するために夜していること

 ——西川さんは、寝る前はどんな風に過ごすことが多いですか?

 

西川さん:

私は寝る前は基本的に何もしていないことが多いですね(笑)。脳を休息モードにするためになるべく頭を使いたくないので、あえてぼーっとしてゆっくり過ごすことが多いですね。

 

以前は夜ネットサーフィンをすることが多かったのですが、気づくと時間が過ぎていて、睡眠時間を減らしているのがバカらしくなったので、平日にやるのはきっぱりやめました。同様に、平日は夜凝った料理を作るのも控えています。

 

ただでさえやることが多い現代女性は、「やるべきこと」を増やすのではなく「やらないこと」を増やしていくと、ぐっすりと眠る時間を確保できるのではないでしょうか。