2018年10月に開いた男性の産休について考えるイベント(みらい子育て全国ネットワーク提供)
2018年10月に開いた男性の産休について考えるイベント(みらい子育て全国ネットワーク提供)

 

確かに「男性の産休義務化」というと、かなりインパクトがあります。海外でそういった事例はあるのでしょうか?

 

天野さん

イタリアでは4日間、ポルトガルでは3週間が義務化されているようです。また、義務化ではありませんが、少子化を脱却したと言われるフランスでは、通称「男性を父親にするための14日間」という男性の産休制度があり、取得率も最初の3日間はほぼ100%、後の11日間は7割が取得しています。 また、「誰もが親になるのは初めてだから、きちんと教えよう」という考え方がベースにあるので、親学級も7回無料で受けることができます。 社会全体が親になる難しさを知っているから、こういう施策が行われているのです。 一方日本では「自分で子供を持つと決めたんでしょ」という自己責任論になりがち。そうすると、子育てがうまくいかなければお母さんが自分を責めてしまうし、子どもを産みたくなくなってしまう。 子どもの数が減った今、子どもに対して不寛容な社会での子育ては孤独で困難が多くなっています。 男性が当たり前に産休・育休を取れるようにすることも含め、日本でも「大変だから、周りがみんなで支えよう」という社会的合意ができれば、子育てをめぐる環境が大きく変わっていくと思います。