動画サイトYouTubeは、鉄道の視点で見ると、あらゆる趣味ジャンルを網羅している素敵なサイトだということがわかります。そこで、今回はYouTubeで鉄道を楽しむ方法を考えたいと思います。

迫力ある前面展望もYouTubeにおまかせ

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前面展望とは運転台もしくはその付近にビデオカメラを置き、ひたすら流れゆく景色を映したものです。つまり、見ている側は運転手気分で沿線風景が楽しめます。 YouTubeが普及する以前、鉄道雑誌に載っていた広告には前面展望をウリにしたビデオが載っていたものです。現在はYouTubeが前面展望ビデオの代わりになり、無料で楽しめるようになりました。

 

ビデオ制作会社の作る前面展望ビデオは運転台にビデオカメラを設置して撮影されています。一方、YouTubeで見られる前面展望動画は運転台の背後にある座席からビデオカメラを回しています。それでも、撮影が上手な方が制作すると、ビデオ制作会社の作品と変わらないクオリティーです。ビデオを見慣れた鉄道ファンも納得するのではないでしょうか。

 

YouTubeで前面展望の動画を見つけるには、路線名を検索すればOK。なかには同一画面でJRと並行私鉄の前面展望動画を並べ、所要時間を計る動画もあります。ぜひ、YouTubeの前面展望動画で運転手気分を味わってください。

 

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意外とおもしろいYouTubeの鉄道模型制作動画

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意外とありそうでなかったのが鉄道模型の制作動画です。YouTubeが普及する前は鉄道模型メーカーによるレイアウトの作り方を解説したビデオが販売されていました。しかし、車両制作や改造をメインにしたビデオは少なかったように思います。 鉄道模型の車両制作、車両改造をメインにした動画は充実した内容です。淡々とキットを組み立てるだけではなく、作り方を丁寧に解説する実況動画が豊富にあります。はじめて鉄道模型のキット制作にチャレンジする方はYouTubeをチェックするのもアリだと思います。

 

なお、はじめて鉄道模型のキットにチャレンジする方はYouTubeで「鉄道模型 キット 制作」と検索。すぐに、キット制作に関する動画が表示されます。一方、車両改造の動画を探すには少し根気がいるかもしれません。ちなみに「103系 改造」で検索すると、床下汚しからパッチワーク編成づくりまで、様々な動画が表示されました。

音鉄にとっては強力なツール、YouTube

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鉄道趣味の世界で日陰を歩んできたと言っても過言ではない音鉄。音鉄は駅放送や車内放送、車両の走行音を守備範囲にしています。何しろ扱っているものが「音」なので、本などの「モノ」では表現しにくいジャンル。かろうじて、走行音を吹き込んだテープやCDが細々と販売されていました。

 

そのような日陰を歩んできた音鉄に陽を照らしたのがYouTubeです。YouTubeでは音と画像解説をセットにした動画が多いです。なかには地下鉄の自動放送を流しながら、車内の案内表示機を器用に再現したものも。地下鉄の自動放送はご当地色が出るせいか、聴き比べるとなかなか興味深いです。

 

昔の重々しいモーターを聴きたい場合は「吊り掛け車両」と検索してみましょう。すぐに懐かしの音が聴けます。なお、吊り掛け車両のモーター音を聴く場合はイヤホン、ヘッドホンの準備を忘れずに。重低音になるほど、スピーカーとイヤホン・ヘッドホンの違いがはっきりとわかります。

オールド鉄道ファンと子ども鉄道ファンをつなぐYouTube

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YouTubeの特徴はあらゆるジャンルでオールドファンと子どもファンを結びつけられることです。たとえば、子どもに東北本線、常磐線の特急列車が頻繁に乗り入れた上野駅を見せたい!と思ったらすぐにYouTubeにアクセス。検索欄に「昭和○○年 上野駅」と入力しましょう。西暦でもいいですが、和暦のほうが的確に動画を見つけられると思います。もちろん、あなたが指定した年に合致するケースは少ないです。「昭和40年」とか「昭和50」年など、10年単位で検索することがコツです。

 

また、「国鉄」と検索するとストライキをメインにしたドキュメンタリー番組が多く表示されます。そのため、具体的なキーワードと年数を指定することをおすすめします。 なお、昭和時代の映像と思いきや、実は旧国鉄の車両を利用したリバイバル列車だった、という例がよくあります。リバイバル列車と昭和時代の動画を見分けるコツは画質と車体の艶。古い車両にも関わらず、車体に艶がある場合の多くはリバイバル列車です。

鉄道YouTuberを目指すのもアリかも

ある程度、動画を楽しんだら、自分で動画を制作してみませんか?もしかしたら趣味が高じてYouTuberになれるかもしれません。まずは、気軽に近くを走る車両を撮影してアップするといいでしょう。なお、駅での自撮り棒は周りの方の迷惑になるので使わないように。また、車内で撮影は各鉄道会社のルールなどに従って行いましょう。

 

文・撮影/新田浩之