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毎晩続く夜泣きにいつまでつき合うの…?トイレトレーニングが終わらない…!など、育児の悩みはつきません。自分を追い詰めてしまう前に、他の国に目を向けてみませんか?日本では当たり前の育児論も、海外では誰も知らないなんてことも。視野を広げれば、気持ちがラクになるかもしれません。日米での育児経験を元に、知ってほしい海外の情報をお伝えします。

 [第8回 アメリカのイヤイヤ期対策]

アメリカのママも悩む
Terrible twos(恐しい2歳児)

2歳前後からやってくる、恐怖のイヤイヤ期。成長の過程とはいえ、朝から晩まで反発されるとママもストレスがたまってしまいますよね。アメリカにも「Terrible twos」(恐しい2歳児)という言葉があり、ネットにも日本と同じように「イヤイヤはいつまで続くの?」「どうやって生き抜けばいいの?」などTerrible twosに関する投稿が山のよう。アメリカのママ達も同じように苦労していることが伺えます。アメリカのママ達はどんな風にイヤイヤ期の子どもと関わっているんでしょうか?

イヤイヤを放っておくことで
感情の切り替え方を学ばせる

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日本でも知られている、「気をそらす」「選択肢を作る」などはアメリカでもおすすめの対処法だと言われています。 注目したいのは、ひどいイヤイヤやかんしゃくが起こった場合の対応。日本のママだとなだめたり怒ったり、泣きやませようとする人が多いかと思いますが、アメリカではそういう場合には“そのまま泣かせておく”というママが多数派なんです。

今回、話を聞いたアメリカのママによると「娘は自分が納得のいかないことがあると、その場にうつ伏せになり、泣きもせず、何も発さずそのままずっと寝転がるという行動に。その時はどんなに急いでいようとも急かすことなく本人が起き上がるまでずっと待つようにしていました。外出中にも5〜10分くらい外の路地で寝転がることもあったので恥ずかしかったですが耐えていましたね」と話してくれました。

家の中ならまだしも外出中にとるには勇気のいる方法ですが、このやり方だと子どもは「イヤイヤするだけではママは反応してくれないんだ」と学ぶことができるんです。幼い頃から子ども自身の力を育てようとするアメリカの育児法らしいやり方です。 外出先の人混みでかんしゃくが起きた場合には、車やトイレなどに移動して思いっきり泣かせてあげるといいかもしれません。

そして子どものかんしゃくがおさまると、ダメな理由を言葉で説明し褒めてあげるんだそう。「何が不満なのかがはっきりしてきたら寝転がってる横で、“これをしたい、欲しいのはわかっているよ、でもこういう理由でできない、買えないんだよ”と説明していました。本人が納得した場合はすっと起き上がり、納得いかないけど諦めなければいけいないと本人がわかって起き上がった時は泣いたままなので抱っこをして慰めていました」。

悪かったところを指摘するのではなく、「よく落ち着けたね、えらかったね」と褒めてあげるのがいいそうです。ただし、泣き止んだ時にお菓子などのごほうびをあげるのは避けるべき。かんしゃくを起こした後には何かもらえるものだと覚えてしまいます。 ただじっと待つのも辛くはありますが、なだめてもおさまらなかったり、イライラして怒鳴ってしまうなど悩んでいるママには試してみてもらいたい方法です。

昼寝をさせるのも対処法のひとつ
ママが「ダメ」と言いすぎないのもおすすめ

また、日本ではあまり聞きませんがアメリカで重要視されているのがなんと“昼寝”。 別のママによると「息子のひどいイヤイヤで困っている時に調べたら、“ちゃんと昼寝させましょう”というのを見かけました。そんな当たり前のこと効くの…?と思っていましたが、息子をよく観察していたら確かに“イヤ!”と言い出すのは眠たいときや疲れた時。出かける予定があるときは眠くなる前かよく眠った後にする、かんしゃくが始まったら昼寝させるなどの対策をとったらストレスも減りました」。

2歳ごろは昼寝しなくなる時期ではありますが、その場合は子どもがゆっくり過ごせる時間を取るなど、疲れがたまらないようにしてあげるといいそうです。

まだまだ生活リズムや体の調子に左右されがちな時期なので、空腹を避け、退屈させないようにするのも有効と言われています。外出の際のイヤイヤで困っているママはさっと食べられるおやつを持ち歩いたり、興味をひくおもちゃを持って歩くのもいいですね。

また、個人を尊重するアメリカらしいやり方も。

あるママによると「娘のイヤイヤ期が始まる前に、お医者さんから根気よく口頭で説明するように、自我の芽生えなので尊重できるところは尊重するようにと言われました」。

自我の芽生えの時期なので、あまり子どもに「それをしちゃダメ、これをしちゃダメ」と言うとストレスを感じイヤイヤがひどくなってしまうそう。危ないこと以外は傍観して、ある程度自由にさせてあげると子どもも反発が少なくなるという話もありました。「ダメだよ」と言ってしまいがちなママは控えてみると効果があるかもしれません。

さらに「他のママがイヤイヤ期の子を叱る時に他のお友達の前で叱らず、別の場所に行って叱るお母さんがいました。その理由が子供プライドを守る為だったのですが、子どもを一人の人間としてきちんと対応していてえらいなと思いました」というママも。 2歳前後の子は、すでに自分は一人前だという意識も芽生えています。その意識を受け入れて、誠実に対応しているこのママの方法はマネしたいですね。

国は違っても、イヤイヤ期の悩みや苦労は一緒。ママには本当につらい時期ですが、「子どもは感情の切り替え方を学んでいるんだ、この子ももう一人前なんだ」という意識で向き合うと少し楽になるかもしれません。ママもうまくイライラを対処しながら乗り越えたいですね。

取材・文/阿部祐子