食べて安心かどうかを見きわめるポイントは?
ところで、市販のハムやウインナソーセージ、ベーコンはすべて「食べてはいけない」のでしょうか?いや、それは違います。なぜなら、亜硝酸Naを使っていない製品も売られていて、最近はそうした製品がふえているからです。
たとえば、イオンの「トップバリュグリーンアイ ローススライス」というハム。原材料名は、「豚ロース肉(アメリカ)、乳たん白、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、たん白加水分解物(乳成分・豚肉を含む)、酵母エキス、香辛料、卵殻カルシウム、香辛料抽出物」です。どこにも、発色剤という文字も亜硝酸Naという文字もありません。つまり、亜硝酸Naを添加していないということなのです。したがって、ニトロソアミン類ができる心配はないのです。
なお、添加物は卵殻カルシウムと香辛料抽出物のみです。卵殻カルシウムは卵の殻から得られた成分であり、香辛料抽出物は香辛料から抽出された成分なので、安全性に問題はありません。
このほか、「トップバリュグリーンアイ ポークあらびきウインナー」、「トップバリュグリーンアイ ポークほそびきウインナー」、「トップバリュグリーンアイ ベーコンスライス」なども、亜硝酸Naは使われていません。なお、これらの製品に使われている豚肉は、抗生物質を使用せずに飼育した豚の肉とのことです。 また、セブン&アイホールディングスの「セブンプレミアム 無塩せきスライスハム ロース」、「セブンプレミアム 無塩せきポークウインナー」、「セブンプレミアム 無塩せきベーコン」なども、亜硝酸Naは使われていません。これらの製品は、セブン&アイグループと信州ハム(長野県上田市)が共同して開発した製品です。なお「無塩せき」とは、亜硝酸Naを使用していないという意味です。 もともと信州ハムでは、亜硝酸Naを添加していないハムやウインナソーセージなどを「グリーンマーク」シリーズというオリジナルブランドとして販売していました。それをセブン&アイホールディングスと協力して、「セブンプレミアム」としても売り出したようです。
信州ハムの「グリーンマーク」シリーズの製品は一般のスーパーなどで販売されています。さらに、JA高崎ハムの「Sマーク」シリーズのハム、ウインナソーセージ、ベーコンも亜硝酸Naは使われていません。
市販の製品でも、がんになるリスクを高める心配のない製品が数多く売られているのです。製品名や原材料をしっかり見て選ぶように心がけてください。
文/渡辺雄二
1954年生まれ。栃木県出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て、フリーの科学ジャーナリストに。食品、環境、医療、バイオテクノロジーなどの諸問題を精力的に執筆。著書に、ミリオンセラーとなった『買ってはいけない』(共著、金曜日)のほか、『体を壊す10大食品添加物』(幻冬舎新書)、『飲んではいけない飲みもの 飲んでもいい飲みもの』『買ってはいけないインスタント食品 買ってもいいインスタント食品』(以上、だいわ文庫)、『食べるなら、どっち! ?』(サンクチュアリ出版)など多数。