赤色が鮮やかなハムやソーセージは危ない?
亜硝酸Na は反応性が高く、豚肉に含まれるミオグロビンなどと反応して、鮮やかな赤い色素を作り出します。そのため、黒ずむことがなく、美しい色を保つことができるのです。 ところが、亜硝酸Naは反応性が高いゆえに、肉に多く含まれるアミンという物質とも反応してしまいます。その結果、ニトロソアミン類という物質ができてしまうのですが、この物質には強い発がん性があるのです。 ニトロソアミン類は10種類以上知られていて、いずれも動物実験で発がん性が認められています。なかでも、代表的なN -ニトロソジメチルアミンの発がん性は非常に強く、わずか0・0001〜0・0005%をえさや飲料水に混ぜてラットに与えた実験で、肝臓や腎臓にがんが認められているのです。
ニトロソアミン類は、酸性状態の胃の中でできやすい物質のため、亜硝酸Naを含んだハムやウインナソーセージ、ベーコンなどを食べると、体内でそれができる可能性が高く、また、それらの加工肉自体にニトロソアミン類が含まれていることもあります。したがって、加工肉を毎日食べていると、ニトロソアミン類の影響によって、がんが発生しやすくなると考えられるのです。 ちなみに、市販のハムやウインナソーセージ、ベーコンには酸化防止剤のビタミンCが添加されていますが、それにはある理由があります。酸化防止剤とは、食品が酸化して変質するのを防ぐための添加物ですが、ハムやウインナソーセージなどの場合、ちょっと違います。 実はニトロソアミン類の発生を防ぐためなのです。ビタミンCには抗酸化作用があり、亜硝酸Naがニトロソアミン類に変化するのを防ぐ作用があることがわかっています。そのため、添加されているのです。しかし、ニトロソアミン類の発生を十分に防ぐことはできないのです。