住谷杏奈
現在はタレントよりプロデューサーとしての仕事が多い杏奈さん

「フォー!」「セイ、セイ、セイ」「バッチコーイ!」。サングラスに黒いエナメルのホットパンツ姿で、腰を振るパフォーマンスが人気のレイザーラモンHGさん(46)との結婚から16年。現在は、2児の母でもある住谷杏奈さん(39)が、主婦から名うての起業家、プロデューサーになったいきさつを話してくれました。

電話は24時間対応、いつでも飛んで行く

── 最近は主に、どんなビジネスに力を入れていますか?

 

杏奈さん:「annfism」というトータルビューティーサロンを都内に3店舗、「東京美髪研究所」という髪質改善サロンを都内に2店舗経営し、「クレムドアン」というヘアケアブランドや、「Dear Beautiful,」というシルク製サスティナブルマスクのプロデュースなどをしています。

 

──いくつも掛け持ちしていて、お忙しいですね。

 

杏奈さん:全然、そんなことないですよ!毎日、それぞれの現場や店舗に出向いているわけではなく、どこにいても電話とパソコンさえあれば対応できるような働き方をつくりあげてきました!

 

電話やLINEには24時間対応するように心がけていて、常に何かトラブルがあれば、すぐに飛んで行けるようにはしています。

 

ある意味、ずっと思い描いていた理想の形で仕事ができています。

 

朝6時半には必ず起きて朝食の準備をして、子どもたちを学校へ送り出し、夜は晩ご飯をつくるルーティンになってます。だから、仕事や自分のことは朝から夕方までに終わらせることにしています。

 

住谷杏奈
みずから経営するannfismの店舗で打ち合わせをする杏奈さん

夫の大怪我で突然「月収7000円になり…」

──どういう経緯でバリバリと働くことになったのですか?

 

杏奈さん:私はずっと専業主婦に憧れていたので、夫と結婚してすぐにタレント業を引退しました。

 

長男が産まれて、夫の稼ぎで養ってもらうという、私にとっては理想的な生活を送っていました。

 

でも、夫が2009年にプロレスで大怪我(右かかと粉砕骨折)をして入院。仕事ができなくなり、月収7000円まで落ち込みました。

 

──杏奈さんが働くしかなかったわけですね?

 

杏奈さん:そうです。そんな私の状況を心配してくれた知人たちが、いろいろな仕事を紹介してくれることになりました。

 

でも、当時は長男がまだ1歳だったので、会社員としてフルタイムで働くことは考えられませんでした。

 

夫の見舞いや子どもの送迎など、当時の記憶は車に乗って移動してばかりのものです。

 

そこで、自宅で企画や提案を練り、打ち合わせも自宅でするような、現在のスタイルで仕事をさせてもらう機会に恵まれ、ここまで続けてくることができました。

 

夫も回復までには時間がかかり、ふさぎこんでいる様子だったので、絵本やTシャツのデザインの仕事などを私が持ち込むこともありました。

 

旅行先の石垣島で夫のレイザーラモンHGさんと住谷杏奈さん
旅行先の石垣島で夫のレイザーラモンHGさんと

ビジネスで成功する秘訣は「行き当たりばったり」

──育児や看病に加えて、新しい仕事は大変ではなかったですか?

 

杏奈さん:それが…楽しかったですね(笑)。特にプロデュースの仕事は、補正下着から石けんから化粧品まで、いろいろとやりましたが、こんな世界があるのか、こうやって稼ぐことができるのかと、とても刺激的な経験でした。

 

──プロデュース商品の年間売り上げが約50億円だそうですが、ビジネスで成功するコツはありますか?

 

杏奈さん:行き当たりばったりですよ(笑)。失敗しても、その経験を活かし次につなげられるよう、常にすべて勉強です。

 

よく成功の秘訣を聞かれますが、アイデアやノウハウ以外に、運やタイミングもあると思います。プロデュース業を始めた初期のプロデュース商品で、ヒットした固形石けんもありましたが、もちろんヒットしなかった商品もあります。

 

インタビューに応じる住谷杏奈さん

ただ、1年で終売するというポリシーをもってモノ作りをしてきました。

 

どれだけヒットした商品でも2年目以降は、他に新しい商品も出てきますし、流行りも変化していくものです。私が現在、全身全霊でプロデュースをしている「クレムドアン」というヘアケアブランドは4年以上続けています。

 

1つの商品だけではなく、コンスタントに求められている新商品を出すことによって、常に新しい風を吹かせられるように意識しています。

 

PROFILE 住谷杏奈さん

すみたに・あんな。1983年、北海道生まれ。タレント活動後、2006年にレイザーラモンHGさんと結婚。1男1女。実業家としても活躍。ヘアサロンやマツエクサロンなど都内で5店舗経営。プロデュースするヘアケアブランドは年間50億円の売上。

取材・文・撮影/CHANTO WEB NEWS 写真提供/住谷杏奈(Instagramより)