山口もえさん

 「妻であり、母であると同時に、私はひとりの人間」と語る山口もえさん。40代になった今、改めて振り返り考える、自分自身との向き合い方についてお話を伺います。「自分の生き方を肯定された」と感じた、山口さんの長女がかけたひと言とは?

仕事も子育てもがんばりたかった30

── 20代、30代、40代と過ごしてきて、どんな変化がありましたか?

 

山口さん:

20代、30代のときは仕事に夢中でしたね。それが40代になり、家族の形も少し変わってきて、自分や夫の健康、子どもと過ごす時間も改めて大切だなと感じるようになってきました。

 

というのも、30代は自分も体力があったし、子どもも小さく、まだまだ仕事も子育てもがんばれていました。

 

ただ、当時まだ幼かった長女もいつのまにか成長して中学生となり、家族といるよりも友達と過ごす時間が増えました。長男は今小学生で、次女は4歳ですが、子どもと一緒にいられる期間はあっという間なんだろうなと思います。

 

そう考えたら、もっと子どもたちとのかかわりを増やしたいし、同時に自分自身のことにも目を向けていきたいなと思うようになりました。

 

それだけではなく、今の子どもたちに何かを残してあげたい。たとえば、子どもたちが少しでも生きやすいように地球環境のことも考えることが大切だなと思います。

 

自分の子どもだけじゃなく、もっと広い視野で物事をとらえられるようになりましたね。

「自分自身を大切にする時間」を作りたい

山口もえさん
子どもたちとの時間を大切にしつつ、自分自身についても目を向けたい

── 毎日、仕事に家事にと忙しいと思いますが、自分自身の時間はどう作っていますか?

 

山口さん:

それこそ本当に30代は自分の時間がまったくありませんでした。それでふと気づいたら自分の時間がまったくなかったんです。もちろん今もどこへ行っても「これは長女が好きだから買っていこう」「これは長男が好きだった」というふうに、子どもたちのことばっかり考えています。

 

ただ40代を過ぎてやっと最近、「私はママでもあり妻でもあるけど、その前にひとりの人間。だから私の喜ぶことをしたいな」と思うようになりました。

 

 

── たとえばどんなことですか?

 

山口さん:

好きな映画を見たり、自分の好きなタイミングで好きなものを食べたり!ほかにも、編み物をするとか、家庭菜園で植物を育てるとか。そんな些細なことですが、大事だなと思います。

 

「この冷蔵庫に入っているめちゃくちゃ辛い食べ物はママの食べ物なんです!」といえるような、自分のためのちょっとしたハッピーを作ること。

 

これまでは、朝ご飯ひとつにしても、子どもといるとつい子どもの残ったものを食べて「朝ごはんを終わり!」とか、もしくは食べないままで終わってしまうことが多かったんです。

 

── 朝の時間は忙しいから、余計に自分のことは後回しになりますよね。

 

山口さん:

やっぱりママさんというのは、自分のことは二の次になってしまうことって多いと思うんですね。自分を犠牲にすることが美徳というわけではないけれども、「家族のために自分の時間を使うのが当たり前」というのが、女性の生き方としてあると思うんです。

 

私も気づいたらそうなっていました。それに気づいたのが40代になってからです。

 

本当に小さなことでいいんですけど、そのことで自分が「あー幸せだなぁ」と思える時間を増やしていけたらオッケーかなって。

 

そうやって自分の時間を作っていけたら、自分が恋しいというかいとおしくなって、それがすごく良い循環になってるんだと思います。

「ママって人生楽しそうだよね!」娘のひと言で生き方を肯定された

山口もえさん
幸せと思える瞬間を増やしています

── 自分自身のあり方を見つめ直したことによって、ご家族の反応はいかがでしたか?

 

山口さん:

最近、私が「自分の考えは間違ってなかったな」と思ったのが、長女に言われたひと言です。

 

あるとき長女が私に「ママってさぁ、人生楽しそうだね」と言ってくれたんです。そのときは「ママだっていろいろ大変なことはあるんだよ」と答えたんですが、長女は「いや、すごく楽しそうだよ!」と言ってくれたんです。

 

これまでの人生で大変なことはいっぱいあって、葛藤もあるし、選択、決断しなければいけないこともたくさんあったんです。人生良いときもあれば悪いときもあり、それが当たり前だと思います。

 

でも、そんな私のことをいちばん間近で見ていてくれる子どもが「ママは人生を楽しんでいる」と言ってくれたなら、それは本当に嬉しいこと。「じゃあ、私の生き方は今のところ間違っていないんだな」と思えました。

 

── 5年後の自分はどうなっていたいですか?

 

山口さん:

私は16歳からこの仕事をしてきて、すごくこの仕事に誇りも持っているし、大切にしたいことのひとつです。お仕事をいただける限り続ける予定です。

 

そのうえで、お仕事なのか何なのかまだわからないんですが、ライフワーク的なものを見つけて、やってみたいなという気持ちもあります。そういうものを楽しめる自分でありたいなと思います。

 

PROFILE 山口もえさん

1977年生まれ。16歳でデビューして以来、モデルやバラエティー、女優として活躍。愛玩動物飼養管理士2級 野菜ソムリエプロ、ホリスティックビューティアドバイザーの資格も取得。3児のママとしてまい進中。
文/間野由利子 写真/葛城敦史