買ったばかりの革靴を足に馴染ませる方法

加えて気になるのが、長時間立ち仕事ができるかどうか。

 

店員さんは、この靴は比較的足の形に合いやすいので馴染みやすいと言っていました。そして実際に丸1日店頭に立つときもこの靴を履いて立てているとのことでした。

 

また、初めは痛いと感じる革靴の場合でも、慣れ親しんだ靴を1足置き靴しておき、初めの数時間は新しい靴を履いて、痛くなってきたら置き靴を履くことで徐々に慣らすことも可能だと教えてくれました。

 

実際に仕事で履いてみたところ、置き靴が必要ないくらい足に馴染みました。 ほぼ1日立ちっぱなしの日でも、 オフの日に美術展を見て回って1万歩近く歩いた日も、 靴擦れすることもなく過ごせました。

 

以来、オンオフ通してわたしの相棒です。

約束のおかげで、面倒なお手入れも続けられている

長年履くために、これだけはしてくださいと店員さんから教わった手入れがあります。 「雪・水滴がついたら空拭きすること」「毎日履いたりしないで1日おきに履いて靴を休ませること」「普段も型崩れを防ぐためにシューツリーを入れること」。「これだけは守ります」と店員さんと約束しました。

 

約束の力って大事ですね。

 

革靴を履いた後に、お手入れが面倒だと感じても、店員さんの顔がぼんやり浮かぶのです。 「約束したしなぁ…」「10年以上使いたいしなぁ…」と思って、重い腰を上げてお手入れできるのです。

 

おかげで「靴はお手入れするもの」という意識が芽生えて、他の靴にもその効果が波及しました。

 

以前は靴を見る視点が高かったのです。

 

立ったまま履いて、靴を見るのは立っているときだけだったので、汚れや傷みに気づかないまま暮らしてしまいがちでした。

 

靴にシューツリーを入れたり、しまったり出したりすることで靴と自分の視点が近くなったといえばいいのでしょうか。 しゃがみこんで手にとり靴の状態を見る、という道具を手入れする視点を手に入れたと感じています。 これが、チャーチの革靴とあのお店の店員さんに出会ってよかったなと思うことです。

文・イラスト/おふみ 構成/阿部祐子