自社理解を深めるための全社員向けライブ配信
──マニュライフ生命では、社内向けにライブ配信しているオリジナルコンテンツ「Manulife Live!」もあると聞きました。こちらについても詳しくお聞かせください。
田辺さん:
「Manulife Live!」、通称「マニュライブ!」は、2020年6月より開始した全社員向けライブ配信です。コロナ禍で在宅勤務が続く中で、会社の情報に触れる機会やコミュニケーション不足を補うために始めました。営業企画部の齋藤康晶がパーソナリティーとして司会進行を務め、お昼時に月2回ペースで30分間の配信を行っています。たとえば「こだわり変額保険」という自社商品の説明や「MGA(代理店)の営業」など毎回テーマを設けて、テーマに詳しい社員をゲストに迎えて対談形式で進めていきます。
松井さん:
私もエンゲージメント・オフィス室長として一度マニュライブに参加しましたが、齋藤さんの話術がすごいんです!(笑)
好奇心の塊のような人なので、タイムコントロールをしつつもフリップめくりをして、堅いテーマでも面白い内容に仕上げてくれています。ゲストの自己紹介コーナーもあるので、番組出演後は「見たよー!」と複数人に声をかけられました。
田辺さん:
コンテンツは前半でゲスト紹介、後半で商品や部署などメインテーマの説明、最後に次回予告という流れですが、齋藤のキャラクターもありエンターテインメント調に仕上げています。真面目なお堅い内容でないので気軽に見られて、リアルタイム視聴者数は多い時で400人を超えます。バックナンバーも含めた再生回数を見ると、多くの社員に楽しんでもらえているようです。
──私も拝見しましたが、始めたばかりとは思えないような完成度ですよね。まるでYoutuberのようでした!「エンゲージメント・オフィス」も「マニュライブ」も、開始して間もないですが新施策の開始直後からしっかりとした運用が行われています。開始直後からきちんとした成果をあげるコツはあるのでしょうか?
松井さん:
これは個人的な意見ですが、私は「嫌なことがあるのなら、転職ではなく会社の良くないところを変えればいい」と考えています。エンゲージメント・オフィスも、会社をもっと良くしていきたいと考える人たちで運営されているのでとても前向きな議論ができています。会社は人と人とがコミュニケーションを取る場所でもあるので、みんなが連携していくことで生産性も上がっていくのだと思います。
田辺さん:
外資系企業は職種採用が中心となるため、他部署の仕事や社員をよく知らないまま働く人も多いです。「マニュライブ」のようによこのつながりを持てる施策があると、自分の言葉で会社について話せる、会社に愛着が湧くなど、社員のエンゲージメントの向上につながっていきます。コロナ禍の環境での社員のニーズに応えられる企画にしたことで共感を得られたと思います。
アフターコロナの新しいコミュニケーション方法を、これからも考えていきたいですね。
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社内エンゲージメント向上を軸に、ニューノーマルを見据えた新たな取り組みをいち早く取り入れたマニュライフ生命。部署を横断するコミュニケーションや仕事へのモチベーションは、自発的に生まれるものではありません。全社一丸となって、本腰を入れて取り組む必要があると言えるでしょう。
取材・文/秋元沙織