生活費7.5カ月分のお金がボーダーライン

ボーナスが出た時にはどう使っても自由ですが、将来のために有効的に使いたいという人もいるでしょう。そういう人には、私は「貯金額を基準に、使い方を決めること」をアドバイスしています。

 

貯金額は、最低でも生活費の7.5カ月分を貯めておくことをすすめています。生活費が月30万円なら225万円。これだけあれば、仮に失業したり病気で休職しても、生活していけるからです。もし、生活費7.5カ月分の貯金がないなら、ボーナスはできる限り貯金に回したほうが良いでしょう。

 

貯金がない場合、現実的には、税金や旅行代金などの支払いに多少のボーナスを使うことになるかもしれません。しかし、普段の生活で貯金ができていないのですから、ボーナスの一部を貯めないと、貯金は増えません。できればボーナス額の50%以上は貯金に回したいところです。

 

一方、生活費7.5カ月分のお金を貯めている人は、ボーナスの一部を「投資」に回すことをおすすめします。ほとんど利息がつかない定期預金口座で貯めるよりも、少額でも投資をしたほうが、老後の生活資金が貯まりやすくなるからです。

 

ボーナスは「家計の健全度を見るバロメーター」。「ボーナスが出たらすぐに全部使ってしまった…」という人は健全とはほど遠い状態。

 

理想的なのは、「ああ、まだ銀行口座を見ていませんけど、入っていたみたいですね」というように、執着しない状態です。できるだけボーナスを貯蓄に回して、心に余裕を持つことを目指しましょう。

 

<連載TOPに戻る>

 

監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ