夏になると、家族でのお出かけが多くなるぶん、レジャー中の事故などもふえてきます。
私たちママが子どもの命を守るために日常生活でどんなことに注意しておくか、日本テレビのママ解説委員・岸田雪子さんが、子どもの傷害予防に取り組む「NPO法人
Safe Kids Japan」の山中さんを取材し、データとともに解説します。
Q.毎年、何人くらいの子どもが命を落としている?
A.0〜9歳の子どもの3000人以上が命を落としている
悲しいことですが、政府の調査によれば、毎年3000人以上の子どもたちが、命を落としています。特に0歳から4歳の、低年齢の子どもたちが病気や事故で亡くなることが多いのです。
Q.子どもが命を落としてしまう原因にはどんなものがある?
A.事故で命を落とすケースも多い
子どもたちが命を落としてしまった原因には、「不慮の事故」が上位にあります。特に5歳から9歳の男の子では、「病気」などを上回ります。思いがけない事故でも、過去の例から教訓を得れば、防げるものもあるはずです。
Q.子どもの死因の上位である事故の内訳は?
A.赤ちゃんは大半が窒息。そして 交通事故や転落、溺死が増加
家にいる赤ちゃんは「窒息」が最多です。ふとんや枕、隣に寝る人の注意で事故を防ぎたいですね。大きくなると交通事故がふえ、転倒や転落、溺死も増加。溺死は、お風呂の残し湯が原因となることも多いのです。出典:厚生労働省「人口動態統計平成27年」より
子どもの傷害予防に取り組む
NPO法人 Safe Kids Japanに聞いた
「特に重大な子どもの事故」
1~3歳 高所からの転落
<事故事例>
子どもが窓際に置かれていたソファによじ登り、2階の窓から網戸を突き破って3m下の地面に落下してしまった。
<予防法>
窓のそばにソファやベッドは置かないようにし、必ず施錠を。窓にチャイルドロックをつける方法もある。ベランダの場合は、植木鉢など足がかりになるようなものを置かないようにする。
1~3歳 浴槽への転落による溺れ
<事故事例>
お風呂の残し湯を洗濯機に移しながら、洗濯ものを干していた。子どもが洗面所に入れないようにベビーゲートはつけていたが、出たり入ったりだったので、ロックはしていなかった。洗濯ものを干し終えてベランダから戻ると、子どもが浴槽に落ちていた。
<予防法>
子どもが2歳になるまでは、お風呂に残し湯をするのは避ける。浴槽の縁の高さが床面から50㎝以下の場合は、子どもがのぞきこむと転落するので、子どもがひとりで浴室に入らないよう、浴室ドアの160㎝以上の位置に鍵を取りつけ、常時施錠を。
6か月~3歳 誤飲(食品以外のものを飲み込む)
<事故事例>
テーブルの上に置いてあったリモコンが、床に落ちてふたが開き、中に入っていたボタン電池が飛び出して、そのボタン電池を子どもが飲みこんでしまった。
<予防法>
年齢ごとに手の届く範囲を知っておくことが大切。そのうえで、ボタン電池やタバコ、医薬品など、子どもが口に入れた場合に極めて危険なものは、手の届かない場所に置くこと。「もしや」と思ったら、すぐにかかりつけの病院や日本中毒情報センターへ連絡を。
【覚えておきたい!】子どもの年齢と手が届く長さ
1歳 | 90㎝ |
2歳 | 110㎝ |
3歳 | 120㎝ |
4歳 | 130㎝ |
5歳 | 140㎝ |
この長さから机や台の高さを引くと、どこまで手が届くのかわかる。
(例)高さ50㎝の台の場合、1歳児は台の端から40㎝のところまで手が届く。その他の事故事例と対策は
http://safekidsjapan.org/share/へ
お話をうかがったのはNPO法人 Safe Kids Japan 理事長
山中龍宏さん東京大学医学部卒業。東京大学医学部小児科講師、焼津市立総合病院小児科科長、こどもの城小児保健部長を経て、1999年より緑園こどもクリニック院長。NPO 法人 Safe Kids Japan では、子どもがベランダから転落する事故を社会全体で防ぐための「ベランダ1000 プロジェクト」
http://safekidsjapan.org/project/veranda-project-2/を実施中です。
日本テレビ・ママ解説委員
岸田雪子さん
日本テレビ報道局で記者歴10年を経て、報道キャスターに。『スッキリ‼』、『情報ライブミヤネ屋』、BS日テレ『深層NEWS』などに出演し、現在は解説委員に。同じ会社に勤務する夫と、小4の長男の3人家族。仕事、家事、育児に加えて、実母の介護にも奮闘中。日本テレビのママサークル「ママモコモ」でも活動している。
では、日々、ママに役立つニュースを更新中。