自分たちもできることを考える

 ここからが本番です。これまでの議論をふまえて、ひとり1つずつ今回生かしたい自分の得意なことを決め、課題へのアプローチを考えます。

 

子どもたちが挙げた得意なことは「スポーツ」「手芸」「漫才」「アニメ」など、小学生らしいものばかり。一見、大きな課題を解決するのは難しそうで、みんな悩んでしまいます。

 

そこで穗積さんは「現地で何かする以外にも、いろんな方法があります。問題についてみんなに知ってもらったり、お金を集めて寄付したりするというのも大切なことです」とアドバイス。少しずつ子どもたちの手も動き始めます。

 

ゴルフが得意な子からは「ゴルフの試合に見に来る人たちに寄付をしてもらう」、漫才が得意な子からは「現地で漫才をして楽しんでもらう」、アニメが好きな子からは「アニメで問題について取り上げてみんなに知ってもらう」など、自由な意見が出てきます。かなり悩んでいる参加者もいましたが、みんな1つ以上はアイデアを出していました。

 

穗積さんは最後に「SDGsは、世界の大問題を17個に整理したもの。みんなが協力して世界をもうちょっといいところにしようって決めたものです」と子どもたちに説明します。日本でも自然災害があったり貧しい子どもたちがいたりと、「大問題」と無縁ではないと話した上で、「『みんなが協力して』というのは、専門家や偉い人だけでなく、ここにいる人を含めたみんな、ということ。誰もが『こうすればよくなるんじゃないか』と考えて頑張るのが大切です」と呼びかけました。