みなさん、「SDGs」って聞いたことありますか? 「Sustainable Development Goals」=「持続可能な開発目標」の頭文字を取ったものです。
SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際目標。「持続可能な世界」を実現するため、「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」などの17のゴールが設けられています。
ピコ太郎さんが推進大使を務め、大ヒットした「PPAP」のSDGs版を国連本部で披露したことなどでも話題になりました。
「子どもたちが生きる未来を少しでも良いものにしたい。子どもたちにも、世界の課題を知ってほしい」
という方は多いはず。ただ、話が大きすぎて家庭では話題にしづらい面もありますよね。
現在、各地でSDGsを学ぶイベントが開催されています。 今回CHANTO WEBでは、国内外の紛争・自然災害・貧困に苦しむ人々の支援を行っている「認定NPO法人 難民を助ける会(AAR Japan)」が開いた、小学生親子がSDGsについて考えるイベントを取材しました。
日本の、そして世界の問題を自分事としてとらえるための参考になるかもしれません。どのように考えていったのか、参加者の様子や感想をまとめました!
日本や世界の問題とSDGsはつながっている
この日のイベントに参加したのは、親子26人。親と子どもが分かれてグループをつくり、課題に取り組みます。
テーマは「親子で学ぶSDGs-きみの得意技で世界を変えよう-」。自分の好きなこと・得意なことを活かして、SDGsを解決する方法を考えるイベントです。
進行を担当したのは、AAR Japanの穗積武寛さん。
まず穗積さんは、難民キャンプにある学校や、西日本豪雨によって広く水に浸かってしまった地域など、国内外で問題を抱えている人たちの写真を見せて状況を説明。「この人たちは何に困っていると思う?」と問いかけました。
子どもたちからは、「勉強道具がないからちゃんと勉強できるか心配」「給食がなさそう」「住むところがなくなっちゃったのかな」「家族がいなくなったのかも」などとたくさんの意見が出てきます。限られた情報からでも、当事者の状況について、イメージを膨らますことができたようです。
そこでそれぞれのグループにこれまで登場した写真が1枚ずつ手渡され、SDGsの17のゴールを分かりやすく書き換えたカードが配られました。例えば「飢餓をゼロに」という目標は「ちゃんと食べられなくて栄養がたりない」、「住み続けられるまちづくりを」という目標は「まちに安心して住めない」などと説明されています。その中から写真の中の人たちが直面している問題を選び出し、SDGsが世界や日本の課題とつながっていることを確かめました。
子どもたちは「私たちとは全然違うから、『みんなが同じようにはたいせつにされていない』(=SDGsでは『人や国の不平等をなくそう』)んじゃないかな」「学校もきちんと建てられてないから、『学校できちんとした勉強ができない』(=質の高い教育をみんなに)と思う」と、地域のことを自分なりに想像してカードを選んでいました。