自分の人生を歩めなかった祖母が60歳でうつに

── 介護分野のロボット開発者を目指し、大学の工学部に進学。その道を志したのは、宇井さんが中学時代にうつ病を患った祖母の存在が大きかったようですね。

 

宇井さん:戦中生まれの祖母は、働きづくめの人でした。ヤングケアラーとして兄弟の面倒を見て小学校にはほとんど行けず、子ども時代は悲しい思いをしたそうです。結婚後も、嫁ぎ先で家事・育児をこなしたうえに、仕事もして家計を支えるなど、休む間もない日々を送っていました。

 

ようやく子育てが終わろうとした矢先、今度は私と妹の「孫育」が始まって。実家で営む商売に両親がかかりっきりだったため、祖母が住み込みで私たち姉妹の面倒を見てくれていたんです。

 

介護ロボット開発を目指すきっかけとなった宇井さんの祖母。昨年、他界された

そんな祖母が、60歳になった頃にうつ病と診断されました。私が中学生の頃です。振り返ると「うつになって当然だよな」と思うほど、祖母の人生は人のために働いてばかりでした。

 

祖母は昨年、他界したため、確認のしようがないのですが、自分のやりたいことをあきらめる場面はきっと多かったはずです。そんな人を減らしたいのと、祖母がうつ病になったとき、十分なケアをできなかったのもあり、介護ロボット開発者の道に進もうと思ったんです。