心身を置き去りにする働き方から降りる決断

── がんだとわかってから、12年間続けていた仕事をやめる決断をされたそうですね。

 

MONAさん:当時はフリーランスのフォトグラファーとして、ウェディングやプロフィールフォトの撮影、動画の編集などをしていました。治療にどれくらい時間がかかるかもわからなかったですし、抗がん剤の治療をするならば副作用で両立は難しいだろうと思い、やめることを選びました。

 

── 決断するには葛藤があっただろうと思います。

 

MONAさん:年をとってもずっと写真の仕事をしていくつもりだったので、不安はありました。でも、当時は心身を置き去りにするような無茶な働き方をしていたので、やめることにホッとした部分もあると気がついて…。その2つの気持ちをずっと行ったり来たりしていましたね。

 

──「心身を置き去りにするような…」とは、どんな働き方だったのですか?

 

MONAさん:重い機材を抱えて現場に行き、1日中食事も水もとらずに撮影、夜遅くまで編集して…と休みなく働き、自分の調子が悪くても「薬を飲んでおけばいい」と思っていました。楽しかったし、やりがいもあったので苦ではなかったんです。

 

でも、そうした働き方をしているうちに、だんだんと「依頼先からの無理な要望にも応えることが相手から頼られているということで、応えられなければ自分には意味がない」という気持ちにもなっていました。仕事を断ると次の依頼が来なくなるかもという不安や、いいものを作りたいという責任感から、無理なスケジュールや予算でも断らずにすべて受けるようになっていました。

 

それで、このままだと結局また体に負担をかけてしまうと、仕事から離れる決断をしました。夫も「一度治療に専念したら」と言ってくれて、経済的な面でも心配しなくて大丈夫だと話してくれたこともとてもありがたかったですね。辞めると決めたら「今、私が頑張るべきは治療なんだ」と前向きにもなれました。