「野菜でクレヨン?」展示会にバイヤーが殺到

──「おやさいクレヨン」の完成ですね!販路はどのように確保したのですか?
木村さん:東京ビッグサイトで毎年開催されるギフトショーに試作品を展示しました。展示できる商品はひとつだけ。展示ブースには壁に「おやさいクレヨン」と商品名が書かれているだけでしたが、逆にそれが全国から集まったバイヤーさんの目に留まったようで。「野菜とクレヨンってどういう組み合わせ?」と。説明すると「?」が「!」になるような変化が次々と起こり、思いがけない反響があったんです。
── 初めて参加した展示会で、いきなり注目を集めたのですね。
木村さん:はい。初日にテレビ東京の『ワールド・ビジネス・サテライト』、2日目にNHKの『おはよう日本』の取材が入り、それから立て続けに取材を受けました。最終的には1500名以上のバイヤーさんの名刺が手元に残り、注文が殺到したんです。
野菜を、食べるもの以外に使うのが当時は珍しかったですし、まだSDGsやサステナブルという言葉が一般的ではないなか、その先駆けのような印象を持ってもらえたんだと思います。用意していた在庫の何倍もの注文が入り、追加生産することにしたのですが、最初にクレヨンをつくったのが冬、展示会が終わる頃には春だったので、手に入らない野菜が出てきたんです。
── 天然の材料だから季節が関係してくると。
木村さん:そこで急きょ「おやさいクレヨン season2」と打ち出して、色を変えて発売したらそれがまた好評で。「ふきのとう」など、春野菜の色も入って日本の四季を感じていただけるようなクレヨンになりました。以降、「おやさいクレヨン」はリニューアルを続けながら、12年間で約20万セットを出荷しています。