企業オファーが続々。時代が追いついた今
── 実際に「おやさいクレヨン」を使った方からの反響はどうでしたか?
木村さん:やはり「子どもが何でも口に入れてしまうので、安心して使えます」という声が一番です。お孫さんへのプレゼントや出産祝い、卒入園祝いなどギフト利用が圧倒的に多く、廃棄する野菜を使っている背景を評価して買ってくださっているようです。
野菜嫌いだった私の娘も、「おやさいクレヨン」を使うようになってから野菜に親しみを持つようになり、今ではまったく好き嫌いがありません。
── 少子化の時代なので、売り上げが落ち込んだ時期などもあるのでしょうか?
木村さん:最初は自社製品だけでしたが、その後、企業や自治体のサステナブル意識の高まりにより、OEM(委託製造)の依頼も増えました。たとえば、カレールーの廃棄材料からつくるスパイシーなクレヨン、木の粉から生まれたクレヨン、廃棄茶葉を材料にしたお茶のクレヨンなど、企業やメーカーの要望に応じてこれまで数十種類のクレヨンを作ってきました。これからも100年続く製品として、世代を超えて受け継がれる商品として育てて行きたいです。
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地元青森県の産物を使ってものづくりがしたいという気持ちから、捨てる予定の野菜をクレヨンにする、という発想に行き着いた木村さん。小さな思いつきから最初の一歩を踏み出すことが、結果的に大きなプロジェクトへとつながっていきました。
頭の片隅にあるアイデア、前々からやりたいと思っていたことがあるなら、あなたもいま一歩、踏み出してみませんか?
取材・文:富田夏子 写真:木村尚子