娘の意志を尊重し、小学生での留学をサポート
── お母さんが瀬戸さんを信じて送り出したように今、二人のお子さんたちがイギリスへ留学されています。娘さんは小学5年生での進学だったそうですが、かなり大きな決断ですよね。
瀬戸さん:もともとは中学1年生の息子が先にイギリスへ行っていて、その学校行事に娘を連れて行ったのがきっかけです。「ハリー・ポッターの世界だ!」と目を輝かせる娘を見て、内心「これはまずいことになるんじゃ…」と(笑)。娘はまだ小学生ですし、離れて暮らすことは当然、考えていませんでした。
「行きたいなら、中学に上がってからにしたら?」となだめたのですが、娘の意志は私の想像よりはるかに固かった。何を言っても「行く」と言う本人の決意を目の当たりにして、それなら親として全力でサポートするしかないと覚悟を決めました。
「帰っておいで」と言いたい気持ちを堪えて
── 留学当初、娘さんは戸惑って泣き暮らしていたそうですね。
瀬戸さん:1日に何回もオンライン通話が来て、画面を開いた瞬間、ヒックヒックと嗚咽しながら「帰りたい」って泣いているんです。報告が来るたびに、心が痛くてたまりませんでした。「帰っておいで」「ママ迎えに行くよ」って何度言おうと思ったか。でも、そうしてしまったら、きっと戻れなくなる。 娘にも後悔が残る。とはいえ、目の前の泣き腫らしている娘に何もしてあげられない自分がもどかしくて。
途方に暮れたとき、ふと自分自身の経験を思い出したんです。母が明るく励まし続けてくれたことが、娘に伝える言葉のヒントになりました。「大丈夫。悲しいときはいっぱい泣きな」と気丈に伝えつつ、あえて明るくからかって笑わせてみたり。

── かつてのお母さんと同じように、瀬戸さんも気丈に振る舞ったのですね。
瀬戸さん:でも通話を切ったあとはやっぱりつらくて、私自身も泣いていました。そのあと、すぐに先生に「また泣いて連絡してきたので、すみませんがフォローをお願いします」とお伝えしたり、同じ学校に通う息子にも「目を合わせるだけでいいから、あの子に声かけてあげて」とメールしたり。思春期の息子には照れくさがりながらも、妹を一生懸命サポートしてくれ、頼もしかったです。
一時帰国後、再び送り出すときも、あえて心を鬼にして。「ごめん、ママ明日から仕事が入っちゃったから、もう行くしかないよ」と淡々に伝えるようにしました。それを繰り返すうちに娘はすっかり乗り越えたみたいで。今ではたくましく成長しました。子どもの適応力には本当に驚かされますね。