「留学なんて育児放棄」という非難も、学びの機会に変える
── お子さんの成長には目を見張るものがありますね。ただ、SNSで留学を公表された際には、世間から心ない声もあったそうですね。
瀬戸さん:当初はプライベートなことなので伏せていたのですが、やっぱり嘘をついてるみたいでイヤだなって。それで、公表することにしました。予想はしていましたが、温かい声ばかりではなくて。「このご時世に留学なんて」「育児放棄だ」「子どもが自分の意思で行きたいと言うはずがない」など思いもよらない意見もありました。
── 事実とは異なるレッテルを貼られてしまうのは、もどかしいですよね。
瀬戸さん:やっぱり落ちこみますよ。でも、どんなに言葉を尽くして説明しても、伝わらない人には伝わらない。それは仕方がないことだと割りきって、私は真実だけを伝えていけばいい、と思うようになりました。
SNSにはネガティブなコメントがついたときは、「この方の心の中にはどういう思いがあるのかな」「なぜこういう感情になるのかな」と思いを巡らせるんです。子育てをしていると「どうしてこんなふうに受け取るんだろう」と思い悩むことの連続。そういう意味では、人としてすごく勉強させてもらっているなと感じます。
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15歳で泣きながら電話したあの日、母もまた、陰で泣いていた──。その事実を知ったとき、瀬戸さんの心には「母の覚悟」が静かに受け継がれました。子どもを信じて突き放すとき、あるいは誰かの無責任な言葉に傷つくとき。「強くなきゃ」と自分を鼓舞する夜も、本当は泣きたいくらい不安でいいのかもしれません。瀬戸さんのように、その弱ささえも「いつか誰かの力になる」と面白がれたなら。あなたは、誰のどんな「強さ」を受け継いで、今日を歩んでいますか?
取材・文:西尾英子 写真:瀬戸朝香