「ないなら作る」生後数か月の乳児と韓国へ強行突破

── そこから、なぜ自分で会社を作り、販売まで手掛けることに?
平島さん:気に入った布おむつが世の中になかったからです。私が買ったのは「輪おむつ」という長いさらし布を縫った昔ながらの布おむつでしたが、脱水時に洗濯機の中で絡まるので、そのたびに蓋を開けて、濡れた重い布おむつをほどく必要がありました。また、おむつカバーのサイズがうちの子には合わず、すぐにサイズアウトしてしまうのもストレスでした。デザインがかわいくて便利な布おむつとフリーサイズのおむつカバーがあれば、他のママたちも喜んでくれるのでは?と。でも国内に工場が見つからない。じゃあ海外だと。
2012年、生後間もない赤ちゃんを抱えて韓国へ飛びました。海外のECサイトで見つけた下着メーカーに「これを作りたい!」と直談判しに行ったんです。女性社長が私の思いを応援してくれて、少量生産を引き受けてくれました。あのとき、自分の目で工場を見て、現地の方と直接交渉できたことが、安心して「布おむつ屋さん」を始める土台になりました。
1日2時間労働で月商300万。ニッチ市場を「逆算」で攻める
── 起業直後、育児をしながらの運営は相当ハードだったのでは?
平島さん:夜、子どもを寝かしつけてから1〜2時間しか仕事ができませんでした。でも、布おむつユーザーは100人に4人程度、当時で約4万人とニッチな世界。ライバルが少ないから主婦でも布おむつ屋ができたんです。
「保育園の入園準備」という需要の山を逆算して、機能をアップデートしたモデルを投入したら、最高月商が300万円に達しました。売り上げはただの数字ですが、それは自分の価値観を変えた「理想の布おむつ」を、同じように求めていた人が多く、必要な人たちに届いたことのあかし。家事や育児をこなした後に、寝る間を惜しんで削り出した1~2時間の積み重ねが目に見える結果となり、報われました。