親友との絶交「人生に希望がもてなくなった」

── 当時、細山さんはすでにテレビで活躍されていました。そのことは、自己肯定感につながらなかったのでしょうか?

 

細山さん:残念ながらつながらなかったです。僕はわりと客観的に自分の置かれた立場を把握するほうです。「今はテレビに出演させていただいているけれど、この先どうなるかはわからない」と考えていました。芸能界は浮き沈みが激しい世界です。人気者だった人の姿をあっという間に見なくなる様子を、何度も目の当たりにしてきました。「自分もいつか忘れられる…」と、いつも思っていました。

 

── 幼少期からそれだけ物事を冷静に見つめられていたのですね。

 

細山さん:テレビに映る自分と、本来の自分とにギャップがあったのも大きかったです。もともと僕はおとなしくて人前で話すのも苦手なタイプ。でも、テレビでは明るいお坊ちゃんキャラでいることを求められます。生後2か月から子役として活動を始めていたし、プロ意識はすごく高かったからキャラづくりにも必死に取り組んでいました。

 

だから、テレビに映る自分は「本当の自分ではなく、演じているもの」という感覚が強かったんですよね。「お坊ちゃまキャラの細山くん」がウケても、本来の僕自身が評価されているわけではない思いがあって。そんななか、2校目の転校先で、自殺未遂を図りました。小学4年生のときのことでした。

 

細山貴嶺
プロ意識が高かった子役時代

── どんなことがあったのでしょうか?

 

細山さん:当時は、殴られ蹴られるのは当たり前の生活を送っていました。でも、ひとりだけ仲よくしてくれる友だちがいて。クラスの中心的人物でもあったから、何かと守ってくれていたんです。

 

ところが、詳細はあんまり覚えていないのですが、プールの授業の前にその友人とケンカをして…。「貴嶺とはもう絶交だ」と、目の前で言い放たれてしまいました。それを聞いて、目の前が真っ暗に。学校に友だちがいなくなった…、いじめられても助けてくれる人もいないと、未来に希望が持てなくなって。衝動的に…。

 

床に倒れているところをクラスメイトが見つけて「貴嶺が大変なことになっている」と、先生に伝えてくれました。そこでも学校は何もしてくれなくて。中学生になったら、暴力ではなく、悪口や無視など精神的いじめに変わり、どちらにしてもきつかったです。