自分の命を守るためには「逃げていい」

── そこまでご自身を追い詰めるとは…。本当に苦しい経験だったと思います。

 

細山さん:いじめって絶対によくないことです。でも、とても悲しいですが、おそらくいじめをゼロにするのは難しいだろうとも感じています。どんな人でも、誰かに対してうらやましさや恨み、ねたみといったマイナス感情を抱くことはあるはず。その感情を言葉や暴力で表す人もいるだろうなと…。とくに学校など、外部の目が届きにくい閉鎖的な空間だと、特定のひとりが標的にされる場合もあり得ます。大人になっても、職場でつらい思いをしている人もいる可能性だってあるはずです。

 

でも、僕みたいに自殺未遂をするほど追い詰められることはないんです。つらかったら逃げていい。外の世界に目を向ければ、別のコミュニティは存在するし、そこで居場所を見つける方法もあります。僕も転校をすることを選びました。耐えるだけでなく、「逃げ道はある」と知ってもらいたいです。

 

 

「逃げることは負けではない」。そう思えるまで、どれほどの葛藤があるでしょうか。自分や大切な人が追い詰められたとき、何が救いになるのか。過酷な状況下で自分を救うための「心の守り方」を、みなさんはどう考えますか。

 

取材・文:齋田多恵 写真:細山貴嶺