「お母さんになるんだ、私」。守るものができたことで徐々に母親としての実感が沸いているという鍋谷友理枝さん。バセドウ病や子宮の病など、長い闘病の末、昨年12月に「新しい命を授かりました」と妊娠を発表しました。かつては「自分の体」を恨んだこともあった彼女が、今、慈しむように抱く新たな希望。母になる喜びと、現在進行形で深まっているその「実感」を伺いました。

長い闘病生活の末に授かった新しい命

鍋谷友理枝
必勝祈願でクインシーズ刈谷の女性スタッフと記念撮影

── 昨年12月にご自身のインスタで「新しい命を授かりました」と公表されました。2019年には子宮の病気を経験されただけに、妊娠がわかったときの喜びは大きかったのではないでしょうか。

 

鍋谷さん:すごくうれしかったですね。バセドウ病ともつき合い、子宮の病気も経験したなかで子どもを授かることができたのは本当に奇跡のようですし、ありがたいです。

 

主人に伝えたときは喜んではいたんですけど、反応がいつものように穏やかだったので、もうちょっと喜びがほしかったかも(笑)。両親は私がもともと身体が弱かったことも知っていますし、バセドウ病をはじめとした病と闘う姿をずっと見てきているのですごく喜んでくれました。「当たり前ではないなかで、こうして新しい命が宿るのは素晴らしいことだから大事にしなさいね」と祝福してくれました。

 

所属するクインシーズンの選手たちも、練習場に行くと毎日私のお腹に手を当てながら「おはよう」と子どもに話しかけてくれたり、「守るから!」と声をかけてくれるんです。そんな姿を見てありがたいなと思いながら毎日を過ごしていました。

 

── 現役を退かれたとはいえ、鍋谷さんの姿は女性アスリートのキャリアの描き方やいろいろな選択肢、生き方があることを示していると思います。

 

鍋谷さん:妊娠後、私の体調が悪くなったり、お腹が大きくなっていく過程を見て「子どもの成長を見ているみたいで楽しいです」と選手たちが言ってくれますが、現役中もそうですし選手としてのキャリアが終わった後も含め、どういう選択をするのか、キャリア形成のひとつのケースとして自分が教材になっている部分もあるのではないかと思います。

 

私の姿が今後、後輩たちがキャリアを歩むうえで何かの参考になってくれたらうれしいですし、私自身もこれから人との関わりのなかでさらに人生勉強ができればなと思いますね。