「その言葉が本当にしっくりくるぐらい、彼だったから私は精神が安定し続けられたんです」。現役時代からバセドウ病や子宮の病と闘い続けてきた女子バレーボールの鍋谷友理枝さん。何度も心が折れそうになる過酷な日々のなかで、なぜ昨年までコートに立ち続けることができたのか。そこには最愛のパートナーの存在と、尽きない感謝がありました。
「結婚するならこの人」と勝手に思っていた

── 2021年に、バレーボール選手として活躍されたご主人と結婚されました。鍋谷さんは2012年にバセドウ病と診断されて以来、闘病を続けていますが、ご自身の病気については伝えていたのでしょうか。
鍋谷さん:私の病気や症状のこと、病気の影響で目が少し出ていることを包み隠さず話をしました。もともと身体があまり強くないので、迷惑をかけることもたくさんあると思うという話は早い段階から伝えていたんです。それに対して向こうは「あ、そうなんだ」「大丈夫でしょう」と普通に受け止めてくれて。
実はおつき合いするようになって早いタイミングで、私は「結婚する人ならこの人だな」と勝手に思っていたんです。父に似ているところも惹かれた理由のひとつかもしれません。家族のなかでも私は父と結構、波長が合うんです。以前から、結婚するなら父のような雰囲気の人がいいと思っていたところもあって。とにかく優しくて、全然怒ったりしませんし、なによりも私の仕事に理解を示してくれます。代表の活動時にもすごく応援してくれていました。だから「この人を逃したらいけない」って。
── それでもご自身の病気を伝えるときは緊張もあったのではないでしょうか。
鍋谷さん:「病気の話をして嫌われないかな?」と心配しなくても大丈夫というか、そういうことを自然に話せるような人なんです。普段から「やりたいようにやって」と言ってくれますし、病気のことに関しても「できることがあればサポートするから」「何でも言ってね」と言い続けてくれています。実際、具合が悪いときは看病してくれますし、ずっと一緒にいてくれて。だから私も身体のことも心のこともなんでも隠さずに相談できるんです。バセドウ病と向きあう中で彼の存在はすごく大きかったですね。
── ご主人は鍋谷さんから見てどんな方ですか。
鍋谷さん:怒っているところをまったく見たことがないんですよ。ケンカはほとんどしません。私がたまに機嫌が悪くなるくらいで(笑)。周りから「マイナスイオンが出てるよね」と言われるぐらい穏やかな人ですね。